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farewell to paradise @Palau [Palau]

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エスカレーターもない階段を上がり、出国に向かった。

レンタカーのキーのことはすっかり忘れ去り、
出国ゲートに向かうと係官が鎮座するブースの手前で呼び止められた。
てっきりパスポートのチェックであろうとポケットからパスポートを差し出した。

「パスポートはいいですよ。US$35、お願いします」

「は? なんです、それ?」

いきなり金額をいわれ、一気に警戒心が高まった。
発展国以外では、出入国に関しては係官のアヤシイ行為がままある。
そう、旅行者を狙って私腹を肥やそうとする、アレだ。

タイからカンボジアへ入る際はツーリスト・ヴィザ代をごまかされたし、
ラオスからタイへの入国でも長距離バスの乗客は丸ごと理由のわからない金を払わされた。
もっともラオスの件に関しては、バンコクで謎解きがされはしたのだが。

http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-09-03 (カンボジア入国)
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2010-12-21 (ラオス越境)
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これらの不正が行われるのはもっぱら数の多い陸路に限ってのことなので、
空港でそんなことが、とクエスチョンマークが浮かんだ。
旅先では疑問に思ったことはすぐに解決したほうがいい。

「なんのお金ですか? 空港使用料ならチケットに切り込んであると思うけど」

「グリーン税です、政府が定めたものです」

とっさのことで気づかなかったが、
係員が座るテーブルにはしっかり「グリーン税」の説明書きと金額が明示されていた。
ソレを読み、財布からドル札を差し出す。
係員は慣れた手つきで領収書と笑顔を差し出し、出国ブースへと促してくれた。

説明書きに領収書とくれば、不正はない。
悪さをするようなやつは証拠に残るようなことはしないのだ。
カンボジアの係官がいい例だ。

とっさに疑った自身を呪いつつ、この楽園が腹黒い国でないことに胸を撫で下ろした。

(後日、調べるとパラオはチケットに切り込まれた空港使用料のほかに、
 出国税+グリーン税=$35を出発時に現金で徴収する、と明示されていた。
単純にわたしが知らなかっただけなのでした)

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出国の手続きを終え、X-rayの手荷物検査へ進む。
出国の後に手荷物検査ってヘンだよな、と思いつつ、荷物を流し込むと、
警備員のおばちゃんに呼び止められた。

「カバン開けていいかしら?」

キャスターバッグひとつの旅、常に機内持ち込みにするため、
検査に引っかかるようなものは入れていない。
開けられて困るわけでもないので、不思議に思いながら、カバンを開けた。

「これ、ダメです」

どこかのホテルもらったアメニティのシャンプー、ボディーソ-プ、
バンコクで買ったヘア・ジェルが彼女の手で取り出された。

「え? なんで? 100ml以下じゃないですか」

「パラオではこれらの液体は持ち出せないことになっているんです」

「ユナイテッドは100ml以下はOK出しているけど?」

「パラオの取り決めです」

文句をいうこちらの表情を見て、規約が書かれた書類を差し出してきた。
英文には「この国では自然保護のためにあらゆる液体類の持ち出しは禁止」と書かれていた。

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「これ、廃棄していいですか?」

「ダメ、といったら?」

「ジップの袋に入っていればダイジョウブなんだけど、持ってる?」

「持ってないですよ。そういうのってそちらがくれるものでしょ?」

「ここにはないのよ。となると廃棄しかないわね」

「断って、戻ってバゲージ・チェックインするといってもできないでしょ?
 もう出国手続きしちゃってるもんね」

「そうね、そういう例はないわねえ」

出国する人間の液体物を没収してもその国の自然保護にどうつながるのか、
まったくもって理解ができなかった。
ジップに入れればOK、というのも輪をかけて理解ができない。
買ったばかりのヘア・ジェルが捨てられることに瞬間的に腹を立てていたが、
書類に明文化されているのではどう立ち向かっても勝てるわけがなかった。
瞬時にクールダウンして、廃棄を承知し、キャスターバッグを閉じた。

「政府が決めたことだろうから、あなたに文句をいってもしかたないけど、
 これって、手順といい、ルールといい、ヘンですよね?」

「そうね、でもわたしの口からは『ヘン』とはいえないわね」

「あ、そうですね。まあ、いいや。
 でもきちんと対応してくれたので、パラオに悪いイメージを持たずに済みましたよ」

「わたしもそうであることを願うわ。楽しいフライトを」

「ありがとう。パラオともお別れです」

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レンタカー、グリーン税、X-ray検査・・・。
ひたすらなにもなく、静かに過ぎていた連日を覆すかのように、
出発前に来て、畳み掛けるように煩雑なことが重なった。

3つのゲートだけが並ぶ国際空港の小さな小さなロビーに腰を下ろした。



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コメント 4

こりん♪

とっさに疑った自分を呪うことは無いと思います!
1度苦い経験したら、学習して慎重になる事って大事ですもんね♪

それにしても、色んな決まりは、出国前に大きな文字でハッキリ分かるように改善して欲しいですよね。。。

日本国内では、小さな字で分かりにくいように書いてある物は改正されましたけど、未だに多々あるし、自身がそれに気づかない時は「詐欺じゃんっ!!!」と思っちゃいます。。。詐欺では無いんですけどね。。。

パラオから帰国する前にはジップを買って行かないとね♪
勉強になりました★
by こりん♪ (2012-11-11 08:55) 

delfin

>こりんさん

一人旅していると「疑いのマナコ」が多くなるんですよね・・・

そ、それは・・・。
一回しか来ない旅行者のために、
やさしくはしてくれないでしょ~~(笑

それでも世界中で日本語表記が増えているのは驚きますけど。

先日、ミネアポリスの空港でも
キチンと表示板に日本語が書かれていたので、驚いた・・・。

世界中どこでもやさしくしてもらえる幸せな国民です。

フフフ、パラオぢゃなくてもジップロックは旅の必需品ですよん~
by delfin (2012-11-11 12:23) 

ナツパパ

グリーン税はよく分かるのですが、液体持ち出し禁止って???
それぞれの国の習慣、気をつけなければ。
by ナツパパ (2012-11-12 17:52) 

delfin

>ナツパパさん

出発まで時間があったのと、すいていたので、
アレコレかなり食い下がったんですが、理解不能でした(笑

普通、出国前に行うX-ray検査を搭乗前に行ったんですが、
小さい空港なので、まとめてやっていたのでしょうね。
文章に「自然保護のための持ち出し禁止」って書かれているのがまったく意味不明で・・・。
たぶん液体物の「機内持ち込みNG」が誤解されてるんじゃないかなあ、と。

シャンプーとかはいいけど、バンコクで買ったばかりの新品ヘア・ジェル、返せ~ (笑
by delfin (2012-11-13 11:30) 

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