sad paladise @Palau [Palau]
6月9日、旅は3日目。
昨夜は夕食も食べずにベッドに沈んでしまった。
こう書くとカッコよく聞こえるが、
ただ単にフライトの疲れが残っていたのと、
ただ単に歩き過ぎで電池切れになったに過ぎない。
なにせ自転車で軽快にパラオの風を切って過ごす予定だったのが、
地べたを歩き回り、南の島の暑さでドベドベに汗をかき、
大して得るものもない一日を過ごすことになったのだから疲れは割り増しだ。
今日も同じように無為の時間を過ごすわけにはいかず、できることからはじめた。
まずはフロントに頼み、スノーケリングのツアーをブッキングする。
スタッフの彼は慣れた手つきで電話番号を押してくれた。
レジャーボートで白い砂が沈む「ミルキーウェイ」、
それに「ジェリーフィッッシュ・レイク」を巡り、
合間に「スノーケリング」、ランチがついてのワンデイ・トリップ。
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ここでは「オフ・シーズン」というアドンバンテージが効いて、
あっさりと翌日のツアーをブッキングすることができた。
ところが同時に悲しいお知らせが電話口に響く。
「ジェリーフィッッシュ・レイク」のパーミット(許可証)が値上がりしたという。
この6月1日から$35が$100に上げられたのだ。
上げるにしても3倍は激しすぎないか、パラオ政府よ。
ツアー料金より高いし。
政府発行の許可証なので、ツアー会社に文句をいってもしかたがないので、
明朝8:45、モーテル・ピックアップの約束をもらい、電話を切った。
しかし自転車屋にしろ、許可証にしろ、一週間ほど待ってくれないか。
下調べもしないで飛び込んでくる愚かさは一応、棚に上げておこう。
「自転車どうなった?」
退屈そうに電話が終わるのを待っていた彼に問いかけた。
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昨日はレンタル・ショップのバケーション表示にやられ、
描いていた予定は真っ白、おまけにアタマの中身も白くなっていた。
闇雲に街歩きを続け、自転車やバイクが置いてある店で尋ねてみたものの、
予想通りの答えを繰り返しもらうだけで収穫はなく、時間が過ぎた。
メイン・ストリートを東の端で折り返し、西の端にある「パラオ観光局」まで歩く。
観光局の小さな事務所に入り、エアコンで汗を乾かし、カラダを冷やしながら、
レンタル自転車に関して尋ねてみたが、やはり同じ店の名前が出てきた。
彼によるとパラオで自転車を貸す店はあの一軒しかないらしい。
「オフ・シーズンだからね。今のうちにバケーションをとったんだろうね。
あなたも休暇? どちらから?」
「日本からですよ。仕事ですけどね。
南のリゾートにオトコ一人休暇で来る趣味はないんで」
どう見てもアジア顔をしているのだが、
181cmという身長にサングラス、というのが日本人らしくないのかもしれない。
「ニホンジンでしたか。
いや、英語に臆せず話してくるので、別の国の人かと思いました」
「ははは、ニホンで覚えた英語じゃないので。発音がヘンでしょ?
自転車がダメだとするとバイクを貸してくれるところはないですかね?」
「ないですねえ。パラオはこの陽気ですからね。
借りるとすればレンタカーでしょう」
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日が落ちかけた頃にモーテルにトボトボと帰ってくると、夕涼みのスタッフがいた。
「今日はなにしたの?」
自転車を借りるはずのアテがはずれ、予定が狂い、
しかたなくメイン・ストリートを歩き尽くしたことを伝える。
「歩いたの? コロールを一日? スゴイネ~。
それなら知り合いが自転車持ってないか、聞いてあげようか?」
「そいつはうれしいな。ダメモトで頼むよ~」
ひょっこり沸いて出たハナシの答えを尋ねたのが先の「自転車どうなった?」だ。
「あったけどさ、ブレーキがイカレてるからダメだね」
売店の向こう側、別棟の中に古いマウンテンバイクが置かれていた。
チェックするとタイヤやギアは健全に役目を果たしていたが、
ブレーキ・ワイヤーはこれ以上張れないぐらい引かれていて、
工具を借りてイジってみるが、その役割を思い出す気はないほど頑固な状態だった。
「コレ、ダメだね。いくらパラオののどかな交通事情でもこれじゃあ死ぬよね。
ダメとなるとあとはレンタカーしかないか」
ツアーをブッキングして、明日の予定が確定したことで安堵が広がったせいか、
昨夜の会話を思い出していた。
だが今日を含め、残り4日のうちの1日分の予定が埋まっただけでしかない。
依然、写真を撮り歩く足は確保できておらず、安堵に浸るには早い。
まずはランチで燃料補給、作戦会議はその後だ。
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