話しから話しへ @Seoul [South Korea (Seoul)]
夜になっても暑かった。
ソウルの夏は通常、夜になると涼しい風が吹く。
大陸の影響からか湿度が低いので、
真夏でも日が落ちれば比較的過ごしやすい。
熱帯夜が当たり前の日本の夏の夜とは少しばかり毛色が違う。
街なかには乾いた風が吹き、路上での飲みにも力が入る。
日が落ちても街がにぎやかなのはこの陽気のせいかもしれない。
ソウルは夏暑く冬寒い、などといわれているが、
夏の夜に関しては日本よりは過ごしやすいのは確かだ。
しかしその夏を前に陽気が少しばかりヘンだった。
この冬は雪の少ないソウルにドカ雪が来た。
どうやら夏の陽気も狂いはじめているようで、
6月だというのに暑さがきっちり押し寄せていた。
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滞在しているフロアにはエアコンがなかったので、
電車がなくなる深い時間まで外で過ごしてから家に戻った。
「おかえり」
宿主の彼がPCをいじりながら出迎えてくれた。
「お。今日はいるんですね。
ごめん、先にシャワー使わせて」
一日中、出歩いていたので、シャワーが恋しい。
宿主は映画関連の仕事をしている。
そのため、時間も不規則で部屋にいたりいなかったり。
実は初日以来、あまり顔を合わせていなかった。
「なにしていたんですか?」
「昨日は定宿の仲間とカムジャタン食べたり、
あとは町歩いて、写真撮るだけかな。
大したことはしてないですよ」
「カメラ、どこのです? 僕もカメラ好きなんです」
そんな共通項から話が膨らみ、
お互いフリーランスで仕事をしている、という部分でも通じ合え、
深いハナシから浅いハナシまで話題は方々に飛んだ。
「そうだ、くだらない質問していいかな?」
「ドゾ、ドゾ」
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「駅前の市場で見たんだけどここのオデンって、変わっているよね?
ネギが乗ってたり、赤いソースがかかっていたり。
あんまり他でみないオデンなんだよね」
「ああ、よく気づきましたね~。
あれって、釜山のオデンらしいです。
店主が釜山の人らしくて、ああいうスタイルみたいです」
「へええ、けっこうみんな寄って食べてたんだよね。
人気あるみたいでさあ」
「好きな人は多いですね。あ~、そうだ。
あれって、子供の頃は『テンプラ』って呼ばれてたんですよ」
「てんぷら~?
テンプラって『ティギム』じゃないの?」
「そうです、でも前はアレを『テンプラ』っていってたんですよ。
四角いほうのヤツですけど、
それがいつの間にか『オデン』に変わったんですよね。
商品名でオデンっていうようになったのかなあ~」
「へえ、商品名ね~」
「そういえば、昨日食べた『カムジャタン』も
『カムジャ』はジャガイモって意味じゃないこと知ってました?」
「あ、それは聞いたことある。誰かに聞いたぞ?
えっと、骨とかナントカ? だっけ?
『毎月ソウル』を始めた一番初めのとき、
『カムジャタン』喰えなかったストーリーがあってさ」
手短に木洞(モクドン)で体験したことを話した。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2009-04-09 (カムジャタンの話)
「おもしろいですね、その話し」
「そのときは『ヘジャンクッ』を知らなかったんだよね」
「大鍋だと『タン』で小さいと『クッ』って感じかなあ。区別は難しいけど。
背骨肉のことを昔の言葉で『カムジャ』と呼んでいたみたいで。
それを煮込んだ汁なので『カムジャ・タン』。
これ、韓国人でも若いヤツは『ジャガイモ汁』だと思っているヤツ多いんですよ」
「先生、いろいろ勉強になります!!」
酒も飲んでいないのに明るくなるまで話しは続いた。
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