オデカケの前に @Seoul

５月２２日、３日目。

天気はいまひとつ冴えない。
シトシト降る雨に出かける気力を奪われ、
ホステルのベッドでひたすら読書に没頭した。

ページをめくる合間にコーヒーを取りにキッチンに向かうと、
午前中の授業を終えて帰って来る人がいたり、
午後の授業に向けて出かけていく長期滞在者がいて、
擦れ違いざまにアイサツを交わす。
またカメラ片手にいそいそと観光に出向く客もいれば、
スーツケース抱え、チェックアウトしていく客もいる。

昼前のホステルは人の出入りで慌しいのだが、
それも昼を過ぎた途端、パッタリと静かになり、
宿は表情を変える。

スタッフも手持ち無沙汰になるので、
おもむろにランチに誘ってきたり、
あるいはこちらから誘いの声もかけやすくなる。
時はコーヒー片手に他愛のない話を重ねたりと、
一人旅の退屈さを紛らしてくれる時間でもある。

広い部屋でくつろげるホテル・ライフも旅の魅力だが、
一人旅で長めの滞在となると、
話し相手に事欠かないホステルやゲストハウスが、
メンタル的には健全なのかもしれない。


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この日も英国人とアメリカ人との出会いがあった。

個別の宿泊客なのだが、
共に定年を迎え、悠々自適でアジアを巡っているらしい。
ホステルやゲストハウスで宿泊費を、
キッチンで自炊することで食費をセーブし、長旅を続けている。

欧米でリタイヤした人でよく見かけるパターンだ。

こういう方々はまったく異なるバックボーンを持っているので、
話しを伺うとおもしろいことこの上ない。
伊達に歳食ってねえなあ、という感じなのだ。

旅をするには「情熱」が必要だ。
その動機は映画でも音楽でもスポーツでもグルメでも世界遺産でもかまわない。
自分を駆り立てる「熱」があるかどうかなのだ。

果たして自分も年齢を重ねて、
旅をする「熱」を持ち続けられるのだろうか。
そう不安になり、ここソウルに頻繁にいるようになった裏側もある。


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ホステルやゲストハウス、ドミトリーの宿泊が万全でないことは確かだ。
快適さではホテルに大いに劣るかもしれない。
それでも見たいものがあり、行きたい国があり、旅を重ねる。
「バジェット・トラベル」という身の丈にあった旅の方法もあるのだ。

「宿泊費にもっともお金を費やしている国民は日本」という統計がある。
海外旅行に関しては未だ「バジェット」という観念が低い国民性だ。

電話で「バックパッカーズ・コリア」のオーナーから誘いを受けた。

常連である香港人の彼が誕生日を迎えるそうで、
近所の居酒屋でちょっとしたバースデイ・パーティが夕刻からあるという。

他の宿泊者も合流して、
みなで楽しく焼肉を頬張りながら、
ソジュを飲み、ケーキをつつくという雑多な光景。

韓国の場合、店への持ち込みはうるさくなくて、
ワインだろうが、ケーキだろうが、土産だろうが、
店の人にひと声かければ、すんなりＯＫされる。
持ち込みを拒まれた例を見たことがないのは安い店しか行ってないからかな。



日本の場合、やれ保健所だの、食中毒だの、利益が減るだの、
ルールに縛られ過ぎて、自由さはどこへやら。
この国にはまだ自由が残っていて、
路肩の外飲みにしろ、店への持り込みにしろ、
「自由なアジア」の部分が見え隠れする。

やっぱりそういう国のほうが眺めていて楽しいのだ。


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タグ：飲み屋 パーティ 誕生日 飲み会 居酒屋 バジェット・トラベル ゲストハウス ソウル ホステル 外国語

コメント 6

【旅には情熱が必要】素敵な言葉であり、素敵な考えですね♪

私の【熱】は、韓国ノンバーバルパフォーマンスNANTA ですが、そこから韓国の文化や習慣にまで広がっています。次回の訪韓では、第２２代王の陵【健陵】にも行ってくるつもりです。周囲の理解は全く得られていませんが…

私もdelfin さんのように、【熱】を持った生き方をしていきたいなぁと思います。
また素敵なブログ、楽しみにしています！
by ぞうさん (2011-09-28 07:32) 

ユースホステルとかって
名前は聞くけれどもどこにあるのか分からなくて
結局ホテルを予約してしまうんですよね・・・
最近は日本もホテル格安化になりつつあって
東横インや、スーパーホテルなどが
どどーんと増えてきてます。
朝食無料サービスが当たり前みたいです。
by otemoyan (2011-09-28 14:35) 

＞ぞうさん

メンドくさいと旅には行きませんから（笑
やはりある種の「熱」が必要なのです。
「情熱」であり、「熱病」であり、恋の熱であり・・・

周囲はどうでもいいのですよ～
周りが心を熱くしてくれるわけじゃないし～

「健陵」ってどこにあるんだろ？
しらべてみよ～
by delfin (2011-09-28 15:57) 

＞otemoyanさん

他の国ではユースも使いますが、
「ユース」じゃないです（笑
（ユースホステルは世界レベルのメンバーシップ・ホステル）

えっと、基本、旅人同士で情報交換です（笑

「ホステル」「ゲストハウス」でゴロゴロでてきますよ。
ちょくちょく出てくる知り合いが開業したBackpakers Koreaなどは、
楽天などでも予約できます。

ホテルも安いですが、さらにその半分かと。

らだし安い部屋はシャワー･トイレ共同。
ただホテルと違いキッチンもあるので、
コーヒー淹れるのも夜中にラーメン茹でるのも可能。

あとは他の客との交流が大きいかな。
「旅人同士の情報交換」はジョークでなくて、
こういうところで教えあって、また次の街へ・・・って感じです。

こんな感じで↓
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-11-04　（ホイアンにて）
by delfin (2011-09-28 16:08) 

フムフム、半分以下の値段で！！
夜中にラーメン茹でてもOKって
すごいですね。
教えてくださってありがとうございます(^^)/~~~
by otemoyan (2011-09-29 14:38) 

＞otemoyanさん

一週間とかの滞在、ザラですからね。
そうなるとやはり自炊組もけっこういます。

逆に「なんで日本人は３～４日しかいないの？」って不思議そうに尋ねられます。

なので、「法律でそう決まっている」と答えることにしてます。
「あなたは？」ってツッコまれるけど（笑
by delfin (2011-09-30 00:23)