Time Killing Game @Vientiane [Laos]
ピックアップのマイクロバスはナンプ広場で停まったままだった。
エンジンは止まり、エアコンも効いていない。
少しだけ待たされるのだろう、と思っていたら、
そうではないようだった。
蒸し暑くなりはじめた車内から出て、路肩で本を読むことにした。
ゲストハウスや旅行代理店が手配している長距離バスや国際バスは、
ピックアップのクルマがやって来て、
大きなバス・ターミナルまで、
連れて行ってくれるサービスが伴うことが多い。
タクシードライバーのことはプロに相談 A/C付 80,000K(約800円)の部屋
時間通りにやって来たマイクロバスは
各ゲストハウスをピックアップで巡り、
10名ほどを詰め込んで広場の前で停車していた。
「小一時間は待たされることになるぜ。
運転手はたぶん食事に行っているよ。
その後、もう一回りしてバス・ターミナルかな」
文庫本を開きはじめると物知り顔の若い男に話しかけられた。
「なるほどね。まあ、そんなことじゃないかと思ってたけど」
「どこから?」
「日本。そっちは?」
「イズラエル。日本は一度行ったことがあるよ、キレイな国だよね」
ゲストハウスは家族経営が多い。奥様がフロント、ダンナが子守り番
「イズラエル(英語発音)かあ、
まだ行ったことがない国で行ってみたい国だよ。
そういえば、各地で聞くんだけど、
イズラエルの若者は一度、海外放浪をさせられるんだろ?」
「ああ、そうだね。大抵、学生のうちに行かされる。
うちの国の歴史や国情、人種はわかるよね?
それもあって大体は家族の方針で『行かされる』んだけど、
まあ、みんな普通に行きたがるよ」
「へえ、すごいな。それは重要な経験だよね。
日本は今、若い世代が旅をしたがらないんだ」
タバコを吸いたくて外に出てきた彼との会話が時間をつぶしてくれた。
イスラエルからやってきた彼は、
どうやら東南アジアを半年ぐらいかけて歩いているらしい。
儀礼のように各地の情報を交換しあった後、
彼の祖国であるイズラエルの旅行情報を教えてもらった。
持っていた手帳に地図を書いてもらったので、
見所や名物も具体的でしかも細やかだった。
「こんなに詳しい情報を教えてもらったんじゃ、
一度、行かないといけなくなったな」
「ぜひ、どうぞ我が国へ」
オールド・タイプのトゥクトゥクはカフェのオブジェに
その言葉を受け取って気づいたのだが、
若者が異国を旅することは、
貴重な経験を積むことになのだが、
こうして自分の国を宣伝して回る効果もあるのだ。
これは金額や数値に変えられない力がある。
ガス欠といい、この語らいといい、ナンプ広場は思い出深い広場になった。
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