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Temple of Capital @Vientiane [Laos]

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市場を離れ、さらに郊外に進んだ。

道路はかろうじて舗装されてはいるものの、
路肩は土が剥き出しで、
クルマが走り抜けるたびに赤い土が舞い上がった。

ポツンポツンと店があり、
ポツリポツリと食堂がある。
吹きさらしなので「食堂」というにはおこがましいが、
地元の人が座って、食事を摂っている。

このまま走り続けてもなにもなさそうだった。

沿道に店らしいものもなくなり、走ることに飽きて、
「首都」の「観光」に戻りましょう、とUターンを決めた。

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街を出ると沿道の風景も一変する

ヴィエンチャンの街は地図が要らないほど簡素だ。

大きなランドマークなるものは少なく、
見所や観光名所も少ない。
その中でも名を馳せる寺院などもあるようだが、
おかまいなしにバイクで走っていれば、
次々に寺院が現れるので、
気になったところで立ち寄ればいい。

アテもなく走っていると大きな寺院に人が集まっていた。

なんだろうと思い、バイクを寄せる。
屋外には仮設のテントが置かれ、
黒い服装に身を包んだ人たちがイスに座っている。
辺りの雰囲気から察すると葬儀のようだ。

しばらくすると鮮やかな衣に身を包んだ僧侶が列を成してやってきた。

棺を引く列だろうか。
残念ながら引かれた棺は小型のトラックに載せられていたが、
古くからの形式なのだろう、
大勢の僧が綱を引き、
その後を白装束の女性たちが綱を囲んでいる。
スピーカーから流れるお経が辺りを静粛な雰囲気に包んでいた。

白い棺が下ろされ、誰かの挨拶がはじまった。

見知らぬ誰かの葬儀に顔をつっこむほど酔狂でもないが、
参列者の数からすると名のある人、
あるいは財力者の葬儀だったのかもしれない。

葬儀が本番を迎える頃にはバイクにまたがっていた。

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棺を引く列。かつては台車などを引いたのだろう

街に面したメコン河沿いは大規模な護岸工事を施していた。
大きな公園でも造るのだろうか。
工事風景は傍目にものんきで、完成はいつのことだろう、なんて思わせる。

少し走っては寺院に出会い、バイクを止め、中に足を向ける。
同じ動きを繰り返し、ヴィエンチャンの街なかを探訪した。

街の東側にあるワット・シームアン(Vat Si Muang)に辿り着いた。

タイ語と同じく、ラオス語(ラオ語)でも寺院は「ワット」と呼ばれる。
(ただし「V」で表記)
ここは地元の人にも人気がある寺らしく、
寺の周辺道路にはお供物や花を売る店が軒を連ねていた。
反対にひと気もない閑散とした寺もたくさんあり、
風化しかかったところもあるぐらいだ。

参拝客に倣い、バイクを連ねて停め、足を進めた。

ひと気のないワットとは異なり、
本堂は明るく艶やかでニギヤカだった。
東南アジアの寺院らしく、金色の派手な仏壇と仏像が陣取っている。

靴を脱ぎ、清潔で冷たい石の床の本堂に上がると、
若い僧侶が自らの手で内装工事を施していた。

「こにちは」

ペンキとハケを持った若い僧侶に唐突に日本語で話しかけられた。

「サバイ・ディ~」

少しおどけてラオ語でこんにちは、と返してみると笑顔が返ってきた。
漏らさずやって来る日本人観光客に教わったのだろう。
日本語のアイサツが若い彼らには面白いのかもしれない。

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「写真、撮っていいかな?」

カメラを指差し、そういう告げると、
周りの僧が敏感に反応して、彼を冷やかした。
僧侶の服装をして、寺院で働いているが、
中身は中学生や高校生と変わらないのだ。

周りの声に文句をいうと、少し照れながらペンキを塗るフリをしてくれた。


Vat Si Muang


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