掴め!勝利を @Bangkok [Thailand (Bangkok)]
市場を歩いていても、路地を歩いていても声をかけられる一日だった。
ワールドカップ決勝トーナメント、
タイの時刻にして、昨日の深夜、
日本はPK戦に敗れ、南アフリカから去ることになった。
眼の肥えたサッカー・ファンが多いのだろう、
試合から明けたこの日はやけに声をかけられた。
「惜しかったな、ジャパン」
「ありがと」
退屈そうな店番の男が声をかけてくる。
「おい、ジャパニーズか?」
「そうだけど?」
「おお!そおかあ。昨日の試合にはシビれたよ」
「ありがと」
こうなるともはや日本は日本だけのチームではなく、
「アジア」代表のチームのようだ。
共に予選を戦った同胞でもあり、
同じアジアのチームをテレビで応援していたのだろう。
日本人が思っている以上に日本はアジアの一国なのだ。
通常、アジアの街で声をかけられるとロクなことはない。
たいがいはタクシーの客引きか、おっさんのポンビキだ。
目線を動かしもせずにやり過ごすのが最大のポイントで、
「コニチハ」なんて耳慣れた日本語に顔を向ければ、
待ってましたとばかりにセールス・トークがはじまってしまう。
耳慣れた母国語に反応しないのは手馴れたものだが、
敵もさるもの、日本語が通じないとわかると、
韓国語や中国語で呼びかけてくるからおもしろい。
目線が動けば、ご商売をはじめましょう、というわけだ。
「ジャパニーズ?」
「ああ」
「お~、ジャパン、なんば~ワン、サッカー、イチバン」
「こっぷんかあ」
おどけてタイ語で礼をいってみる。
「ジャパン、いいチームね、PKザンネンね」
そういうと彼は手を差し出してきた。
その祝福に応え、差し出された手を握り返した。
タイの人たちのサッカー好き、
タイの人たちの日本贔屓を差し引いても、
今日は少しばかりおかしな一日、
街を歩くだけでくすぐったい一日だ。
タクシーやトゥクトゥクの運ちゃんが、
アヤシイ日本語でなく、英語で呼びかけてくる。
タイのサッカー好きは昨夜の試合にシビレたことを、
どうやら身近な日本人にひとまず伝えておきたいようなのだ。
たかだかサッカー、
たかがスポーツが、
言語や国籍を乗り越え、
言葉の通じない見知らぬ者同士に、
話題を提供してくれているのは確かだ。
今日だけは「日本人?」の呼びかけに応えてもいい気がしていた。
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タイの人々がそんなにサッカー大好きって初めて知りました!
とっても意外!
何でそう思ってたんだろ?
イメージってあてにならないなぁ・・・
by ばうわう (2010-10-19 10:05)
>ばうわうさん
タイに限らず、世界共通ですよ、フットボール。
東南アジアは強くないですし、
セミ・プロ・リーグしかないですからねえ。。。
by delfin (2010-10-20 09:07)