市バスと地下鉄 @Seoul：風に吹かれて：SSブログ

	ブログをはじめるログイン

市バスと地下鉄 @Seoul　[South Korea (Seoul)] [編集]

今日も暑かった。

こちらの梅雨は日本の梅雨が終わった頃に、
前線が北上し、入梅するという。

６月１８日、梅雨真っ盛りの日本と違い、
ソウルはその気配もない。

「今日はどうするの？」

スタッフになにげなく、問われた。

「昨日、試合の間中、歩き回って写真撮っていたからね、
ちょっと疲れたよ。
チムチルバンでも行って、カラダ休めるよ」

「おお。それはイイカンガエデスネ」

ところどころヘンな日本語で切り返してくる。
それを合図に東廟にあるＳＰＡＲＥＸを目指し、宿を離れた。

チムチルバンは日本の「スーパー銭湯」と遜色ない。
その浴槽に浮かびながら、やはり昨夜のことを考えていた。

ソウル市は深夜まで続く試合にあわせて、
市バスや地下鉄の臨時便を出す、と発表していた。
それを知って、ボストンの深夜が重なった。

★このブログ　今何位？★

ＮＦＬでは通常、日曜の昼間に試合が行われる。

その中から、好カードを一試合選び、月曜の夜に開催する。
「マンデー・ナイト・フットボール（ＭＮＦ）」と称されたゲームがソレで、
東海岸のプライム・タイムの放映時間に合わせたものだ。

ボストン郊外のフォックスボロで、
このＭＮＦを取材することになっていた。

アメリカの場合、スタジアムへはクルマで出向く人がホトンドだが、
このときはレンタカーを借りていなかった。
取材経費が限られていたことと、
スタジアムへ向けての臨時便の列車が運行していて、
その列車の乗り方も取材対称だったからだ。

キックオフは２１時、
通常、フットボールの試合は３時間以上かかる。
終われば軽く０時を回るが、
ボストンまでの帰り道は、
乗ってきた列車が運行するので、心配はしていなかった。
ただボストンに着いた後の足はどうするのだ、という疑問が消えなかった。

アメリカやヨーロッパの鉄道駅というのは大概が町の外郭にある。

日本のように接続がよくて、乗り返しやすい、なんてことがない。
それでもボストン駅の場合、
さほど街の外側というわけではないので、
最悪、３～４駅の距離、宿まで徒歩で帰るか、
などと適当に考えながら、取材を重ねた。

帰りの車内、勝利で機嫌がいい地元のファンに話しかけられる。
日本人であることが珍しかったのだろう。
ウランクに「日本からの雑誌の取材だよ」というと、
かなり驚かれたのも事実だ。

列車内でタクシーを相乗りしてくれる人を探そうか、と思ってもいた。

「みんな、市内からはどうするの？」
とこれまたフランクに尋ね返してみると、
「地下鉄が僕らを待ってるぜ」というのが答えだった。

確かに地下鉄は待っていた。

とっくに終電が行ってしまった１時過ぎ。
無人の駅に立ち、誘導する係員と共に、
臨時の地下鉄がそこにいた。

「ほれ、電車がいっちまうぜ」

列車で話しをしていたみなにせかされ、
赤色灯を振る係員にせっつかれながら、
地下鉄に飛び乗ったのを覚えている。
たかがフットボールの試合のために、
臨時の地下鉄が運行していたのだ。

試合よりもそのことにシビれてしまっていた。

スポーツの母国・イングランドでは、
サッカーやラグビーのワールドカップ、
テニスのウィンブルドン、オリンピックなど、
主要なスポーツ競技は「地上波」で放送することが法律で義務付けられている

衛星放送やケーブルテレビなど「有償化」しやすいメディアでなく、
市民が確実に無償で楽しめる「チャンネル」を残すようにと。

この国はといえば、
人気のないスポーツはまったくといっていいほど放送されない。
ＴＶメディアはタレントを使って、
スポーツ・イベントをあおるだけだ。

もっとも人気のあるスポーツでは、
シーズンを戦ってきたチーム同士で「プレイオフ」を争うという、
わけのわからない愚を繰り返している。
わずか２チーム増設し、４チームｘ２地区に分けるだけで、
大きな変革を生み出すというのに、既得権益者はソレを許さない。

ファンが取り残された国にスポーツ文化はあるのだろうか。

↓「旅行」部門、躍進中！　↓　クリックしていただけると、書き手の励みになります↓
BS blog Ranking
三ツ星トラフィックエクスチェンジでアクセスアップ！

2010-08-13 23:30 nice!(29) コメント(6) トラックバック(1)
共通テーマ：旅行