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ホットサンド @Seoul [South Korea (Seoul)]

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「東廟」を離れ、通りに戻る。

屋台のオニイサンが手際よく、トーストを調理している。
大き目のハンバーグをはさんだり、
チジミにケチャップをつけたものをはさんだり、
「ホットサンド」というにはオシャレ過ぎるだろうか。

ローカルの飾り気ない食べ物は眺めているだけで楽しい。

通りを冷やかしながら歩いているオジサンたちが、
小腹を満たすため、注文の声を上げると、
オニイサンは手際よく調理し、
出来上がったホット・サンドを紙コップに放り込む。

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初めて食べたときは、
紙コップに差し込まれたトーストを見て、驚いた。
考えてみれば、なんとまあ合理的なこと。

シンガポールでも合理的なシーンはよく見かけた。
屋台で飲み物をテイクアウトすると、
金魚すくいで取った金魚を入れる袋の大きめのヤツに、
氷とストローを挿し、手際よく渡してくれたっけ。

ランチタイム後は、
オフィスに帰るオンナのコがストローをくわえている、
なんてシーンが当たり前だった。

調理するオニイサンの手元に、
張り付くながら見つめている子がいた。

調理する手順がおもしろいのか、
はたまたただ単にオナカが減っているだけなのか、
はた目にはわからなかった。

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屋台のオニイサンが無言でそのコに、
できあがったトーストを差し出した。

「XO!*+」

レンズの向こうで男のコがナニかしゃべっている。

「僕、買わないよ。お小遣い持ってないし」

そんな感じだろうか。

その言葉を待つまでもなく、
オニイサンは無骨にトーストを男のコの前に突き出している。

「いいから、持ってけ、ホラ」

声には出していないが、そんな感じだ。

男のコは躊躇していた。
それはそうだ、店からタダでモノをもらういわれはないだろうし、
そんなことをしたら母親にでも叱られるだろう。

その心情を察してか、オニイサンが目配せしている。

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男のコは恥ずかしそうに手を伸ばすと、
紙コップに入ったホットサンドを受け取り、頭を下げた。

そうすると急に恥ずかしくなったのか、通りの向こうへ駆け出していった。


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