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そして日本 @Seoul -完- [South Korea (Seoul)]

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帰国日、8日目の朝は朝露が道路を濡らしていた。

昨夜は結局、3時過ぎまでニギヤカだった。
ノイズの中心はいつものように声のデカイ中華系の人たちだ。
それよりもいつもにも増して、キッチンは人が多く、
ビールが入ったこともあり、
深夜のフライドチキン・パーティは盛況だった。

そんな場所で日本人の「くせに」英語を話せることがわかると、
アメアラレの質問が浴びせられる。

とはいえ、その英語が酷いシンガポール訛りなので、
質問の冒頭は「あなた日本人かと思ったけど、ナニ人?」と
尋ねられることが多い。
広東語やマレー語のアイサツ程度は知っているので、
がっつりと当たり前のように
自国の言葉で語りかけられることも少なくない。

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英語を話す日本人がオモシロイのか、
日本に対する疑問が募っているだけなのかはわからないが、
流行のシンガーからドラマ、歴史上の人物から文学まで、
日本に関する質問は幅広く、多岐に渡る。

いつも思うことだが、こと日本に関しては、
「日本」という国に興味を持っている外国人のほうが詳しかったりする。

日本人のコチラ側としても、
外国にいるほうが「日本」という国を大いに認識させられるのだ。

仏教徒だと思われている日本人の宗教観、とか、
日本はアメリカのほうばかり向いているのはナゼ、とか、
説明に苦労させられる質問は多い。

まるで日本担当の「スポークスマン」なのだが、
貧相なボキャブラリーなので、
答えが伝わっているかは定かではない。

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話が膨らみ、多方面に話題が飛びはじめ、
駐車場代に月$200も払っている人がいる、といっても誰も信じないし、
第二次世界大戦がどこの国の戦争か日本の若者は知らない、といっても、
コチラが作り上げたジョークにしか、聞こえないらしい。

「成田空港からタクシーを拾ってみるといいよ、
日本のアホさ加減がわかるから」
こういうと納得してくれる外国人が多いのも事実だ。

一週間もいるとスタッフも多少は名残り惜しんでくれるらしく、
アレコレと話しが続いた。

「次はいつ来るの?」

ただの常連、金払いがいい上客に対するものかもしれないが、
この言葉が一番うれしい。

「予約、入ってないよね」

「まだ決めてないんだ。
そうだ、次来るときに買ってきてほしいものある?」

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なんて聞き返してみるのだが、
韓国の人が遠慮深いからか、
あるいは男同士の照れもあるのかわからないが、
「気を使わないでいいですよ」なんていってくれる。

「じゃあ、また日本のカレーを作りましょう!」

そういうとスタッフは諸手を挙げて喜んでくれる。

そんな言葉を残して、宿に別れを告げた。


旧正月の「毎月ソウル」

             
―完―


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