海馬を馴らす @Bangkok [Thailand (Bangkok)]
ウイークエンド・マーケットはすっかり垢抜けていた。
通りに並ぶ出店は、
水だろうが果物だろうが、値段が明記されている。
屋台や食堂はやってきた客に、
パウチされたメニューを差出している。
ボッタクリやダマシがなく、アヤシさがない場所になっていた。
元々、観光客が週末にこぞって訪れる場所。
いくらかわからないミネラル・ウォーターを買う観光客はいないし、
値段が明確でない食堂でご飯を食べる人は少ない。
言葉がわからない外国人観光客は、
電卓叩きながら、値段交渉ができる土産物を買う以外
サイフのヒモを緩めるワケもなかった、そんな場所だったのだ。
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それが値段を明示することで、
観光客には安心感が生まれ、
誰もが気軽にフルーツを頬張り、
小腹が空いたらスナックを買う。
明るく安全なら、買いたいもの以外にも、
フェスティバル気分で明るく楽しく無駄遣いができるのだ。
タイの人々の賢さと強さを見た気がする。
どの店も値段を大きく掲げているし、
持ち前の明るさとオープン・マインドが、
客を呼び込むことに拍車をかけている。
ひょっとすると行政の指導があるのかもしれないが、
以前とはスッカリ姿を変えているマーケットに驚いた。
お金を使いたくて仕方がない観光客の背中を上手に押している。
牛肉麺だけでは軽かったので、小腹が空いてきた。
タイの名物でもある「イカ炒め」を見つけ、列に並んだ。
どこでも目にする屋台料理なんだけど、この料理、なんていうんだろう。
「イカ炒め」は個人的な勝手な命名。
大きな鍋で手際よくイカを炒め、
小麦粉を溶いたものを合わせ、油と唐辛子をかけ、重ねて炒める。
焦げた油の香ばしいニオイが客を呼び寄せている。
できあがりを待っている間に、声をかけた。
「写真撮っていいかなあ」
「料理の? かまわないわよ」
忙しく次から次に料理を売りさばく女の人が答えてくれた。
「いや、君たち二人の働くところを撮りたんだ」
「わたしたち? やだあ、ハズカシイ~」
「いいんだ、ポーズはいらないから。働いているところを撮らせてよ」
そう頼むと、手元の料理に集中しながらも顔が和らぐ。
ちょっとテレているようだが、
熱い火の中でナベを振っているオニイチャンは仏頂面だ。
「はい、できたわよ。チリかける?」
「ありがと、多めにかけて。写真も撮れたよ、ありがとう」
そういってデジカメのモニターをみせると、
覗き込んだ仏頂面のニイチャンの表情がほころんだ。
一人前30B。
熱々のファスト・フード、いやスナックの値段よりも、
一所懸命料理してくれたものを食べられるのがハッピーだ。
隣の店で絞りたてのオレンジ・ジュースを買い、その場で頬張った。
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