Citi Field @NYC [N.Y. (U.S.)]
新旧2つのスタジアムを眺めるために、右手に進んだ。
工事中の新スタジアムは、まだ外観ができ上がった程度。
残念ながらフェンスに閉ざされていて、中がよく見えない。
スタジアムに沿うように右に流れると、
通りの反対側には、小さな自動車工場がたくさん軒を連ねていた。
野球場のすぐ裏手に自動車修理工場、というまったく噛み合わない風景。
日本であれば、売店や土産物や食事をするような店が軒を連ねるのだろうが、
この国では野球場のすぐそばだろうがなんだろうが、普通の生活がそこにある。
カメラ片手に歩いていると、通りの向こうの整備工がいぶかしげな顔で眺めていた。
でき上がる前の球場を眺めて歩く物好きなど、あまりいないのだろう。
ましてそれがアジア人ともなれば、なおさらだ。
目が合った整備工にカメラを向けると、おどけてポーズをとってくれた。
標準レンズでは遠すぎて、カレを捉えられなかった。
手で合図して、歩みを進めた。
周囲を歩いたが、工事のフェンスは人目を避けるように、高く、隙間もない。
工事中だからしかたがないか。
ちなみにこの新スタジアム、まん丸のシェイ・スタジアムに比べると、かなり凝ったデザインだ。
ドジャーズがブルックリンにいた時に使用していた「エベッツ・フィールド」をイメージしている。
近年のMLBスタジアムは、
ボルティモアの「オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ」の成功を受けてから、
クラシカル・モダンなデザインが主流を占めている。
シティ・フィールドもそれを踏襲した形だ。
センター方向からレフトへ流れると、「旧」となったシェイ・スタジアムが見えてきた。
ゲートやフェンスがあるものの、こちらは開けっぴろげ。
解体されるのを待つだけのスタジアムが物悲しい。
新スタジアム柿落としの頃には、ここは巨大な駐車場となっている予定なのです。
近い距離で撮影したかったので、ゲートを無視して、歩みを進めると、呼び止められた。
「関係者か?」
「NO」
カメラ片手のアジア人の関係者がいるとは思わないが、素直に明確に、大声で答えた。
「ダメだよ、入ってきちゃ」
「写真を撮りたくてね」
「ダメダメ。警備がいなかったか?止められなかったかい?」
「いたけど、気にも止めなかったみたいだよ」
「しょうがねえな、フェンスの向こうに出てくれよ」
「近くで、写真を撮らせてくれない?」
「ダメダメ、出て出て」
「じゃあ、ここで一枚撮ったら行くよ」
「仕方ないな、撮ったら行けよ」
謝りながら、数枚撮影し、フェンスの向こうを目指した。
工事現場だから、部外者の立ち入りを禁止しているのは、仕方がない。
それでも最近のこの国は「関係者以外の立ち入り」にやたら敏感だ。
10年ぐらい前までは、試合のない日のスタジアムはいい加減で、
搬入口が空いていれば、そこから中に入ることができた。
芝のフィールドに入ることも可能で、グランド整備のスタッフがいても、
ズガズガ入り込んできたこちらにもあまり気を止めることもせず、そのまま作業を続けていた。
プロの試合が行われる芝のフィールドに立つことができたし、
写真を撮っていても咎められなかった。
ソルジャー・フィールドでは、サイドラインの写真を撮ったし、
キャンドル・スティック・パークでは控えのキッカーがFGの練習をしているのを、
写真を撮りながら、長い時間、ベンチに座って眺めていた。
あれはもう「昔」のお話しなのだろうか。
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