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Review of the SUPERBOWL XLIII [Sports]

毎年訪れるスーパーボウル終了=NFLのシーズン終了の虚脱感に襲われてました。

PROBOWL(NFLのオールスター戦)も終わり、
そろそろ虚脱感から抜けないと、ということでがんばって更新します!

まずはSUPERBOWL XLIIIを振り返ります。
http://www.nfl.com/superbowl/43



コイントスで勝ったアリゾナは、キックオフを選択。
後半のボール(レシーブ)を選択したのが意外。

ファースト・シリーズ、ピッツバーグは9プレイ、71yボールを進め、
ゴールライン1yまで迫るもタッチダウンを奪えず、FGの3点どまり。
アリゾナ守備陣がふんばった印象。

前にも記したがこのポスト・シーズン、先制点はまったく当てにならない。
ウェストコースト・オフェンスがあたりまえになり、
ファースト・シリーズで点を奪うシナリオに、相手チームがシッカリ対応する、
それが昨今のフットボール。
もはや先制点は折込済みで、さほどチームに動揺を与えないのか。

しかしその後のシリーズ、アリゾナはボールを進めるもパント。
反対にピッツバーグはジワジワとボールを進める。
11プレイを重ね、69y進み、最後はRBラッセルの1yランでタッチダウン。

これで10対0。
2シリーズの差が開き、下馬評どおりの展開に観戦しているスタンドにもやや失望感。
「スーパーボウルは凡戦が多い」という評判が見ている人々の頭をよぎったはず。
黄色い「テリブル・タオル」を振り回すティーラーズ・ファンだらけの状況でもため息が感じられた。

だが、アリゾナはその倦怠感を振り切った。
テンポよくファーストダウンを重ね、9プレイで83yもボールを進め、
最後はTEパトリックに1yTDパスを通した。

これで10対7。



その後、お互いにボールを進められない。
前半終了間際の2ミニッツ直前、リードしていたピッツバーグに先にミスが出る。
インターセプトでピッツバーグ34yというポゼッションを与えてしまう。

残り2分、タイムアウトは充分、レッドゾーン間近、FGレンジまで楽勝のポゼッションだ。
ターゲットに投げ分けるQBワーナーのパスが冴える。
ボールをゴール前5yまで進め、アリゾナ最後のタイムアウトを取る。
残り18秒。
最低でもFGの3点で同点、あるいはタッチダウンを奪い、
アリゾナの逆転で前半を折り返すのか、と誰もが想像した。
パスプレイならあと2プレイはできる時間。

次のプレイでワーナーが放ったパスをキャッチしたのはWRボールディンでなく、
ピッツバーグLBジェームズ・ハリソン。
エンドゾーン直前でキャッチするとそのままフィールドのすべてを走り切った。

100yのインターセプト・リターン・タッチダウン。
もちろんスーパーボウル・レコードだ。
17対7。
ア然、とする幕切れで、前半が終わった。

スーパーボウルの大きな話題でもあるハーフタイム・ショウは
「BOSS」=ブルース・スプリングスティーン&Eストリートバンド。
去年の「トムペティ&ハートブレイカーズ」に続き、日本じゃ、あんまりピンとこないのかな?
1月にニュー・アルバムでたばかりだけど・・・
恵比寿のライブヴュー会場はイマイチ盛り上がりに欠けてたなあ。



後半のキックオフ、しかし3rdクォーターは膠着状態。
圧巻はジワジワと進むピッツバーグをゴール前19y、FGに抑え込んだアリゾナ・ディフェンスだったが、
ペナルティで1stダウンを更新され、踏ん張りが台無しに。
しかしこれで腐らずに3&OUTに留め、FGの3点だけ。
これで20対7。
しかし効果的なプレッシャーをかけ続けるアリゾナ・ディフェンスに比べ、
ピッツバーグの攻撃はキー・プレイと効果的なランアタックの穴が見出せない。
リードしているとはいえ、ゲームをコントロールするプレイが見えていないのだ。

そして4thクォーター。

ピッツバーグを3&OUTで押し込めると、
ワーナー&フィッツジェラルドのパス・アタックが全開になった。
6,18,6yのパスが通り、最後もフィッツジェラルドに1yのTDパス。
20対14。
ノーハドル・オフェンスが効いたのか、あるいは守備側のマーク変更か、
それまでダブル・カバレッジのフィッツジェラルドが急にオープンになり出した。。

「2TDを与えない」といわれるリーグNo1のスティーラーズ守備から
2つめのタッチダウンを奪ったことで、急にゲームは動き出した。

ピッツバーグ3&OUT。
アリゾナもノーハドルを重ねるがランプレイが出ないため、パスも通らない。
このあたりは「スティール・カーテン」の堅牢さが伺える。



しかしその後のパントでスペシャル・チームが相手のゴール前1yにボールを止めるファインプレイ。
プレッシャーをかけられたピッツバーグ攻撃陣がエンドゾーン内でファウルを犯し、
セイフティの2点を与えてしまった。
20対16。

さらにピッツバーグのパントでボールはアリゾナ。
そしてフィッツジェラルドに64y(!)のパスが通り、TD。
このポスト・シーズン、数々観てきた彼の独走がまさか強力守備相手にも演じられるとは。
これで23対20。
バックス陣は時計が止まるのを警戒して、サイドを固めすぎたのだろうか。
ど真ん中に大穴が開き、アリゾナがこの試合初めてリードを奪った。

試合時間は残り2:37。
好調なアリゾナの守備と基点を見出せないピッツバーグの攻撃を振り返ると、
初出場カーディナルズの初優勝すら見えてきた。



しかし2ミニッツに2つのタイムアウト、時間はタップリあるといってもいい。

さらにロスリスバーガーは死んでいなかった。
ちょっと大げさな表現だとしたら、あきらめていなかった、と書き換えよう。
ここからのシリーズは「サスガ」としかいいようがない。

8プレイで7回のパス、そのうち5回をWRホームズに通した。
そう、その5回目のパスがあのタッチダウンである。
27対20。
64yを駆け抜けたフィッツジェラルドのタッチダウンが歴史的に繰り返し流されるシーンになるだろう、
と思っていたが、ホームズのミラクルがそれを上回ってしまった。

それ以上に高い能力を示したのがロスリスバーガーだ。
プレッシャーを交わしながら、ポンプ・フェイクを入れる冷静さ。
このポンプ・フェイクに守備陣がかなり惑わされているのは事実。
そしてホームズへの最後のパスは右のエンドゾーンのさらに奥。
これはレシーバーがキャッチできなくてもディフェンスにボールを奪われることがないパス。
コーナーのホームズには3人のディフェンスがついていた。
窮地、とはいえ、しっかり計算して投げている。

彼のコントロールの正確さとNFLのレシーバーの能力の高さが結晶した「パス成功」でもある。

試合時間残り35秒。
2回のタイムアウトを残すアリゾナに可能性は残されていたが、ゲームはこれで幕を下ろす。
スティーラーズはリーグ最多となる6度目のヴィンス・ロンバルディ・トロフィーをモノにした。



全体の印象としては、ガンバり続けたアリゾナ・ディフェンスに拍手。
さらには「スティール・カーテン」に耐え続けたアリゾナ・オフェンス・ラインにも。
フィッツジェラルドへのダブル・カバーやあまりブリッツなどいれず、
引き気味で堅実な展開をみせたピッツバーグ・ディフェンスは
HCマイク・トムリンのしたたかさの表れか。
若くしてスーパーを覇したロスリスバーガーの冷静さは際立った。

100%出し切ったアリゾナ、101%出せたピッツバーグ、という印象だろうか。

フリー・エージェントやサラリー・キャップが効果的に作用し、
もはやスーパーボウルに凡戦はないのかもしれない。



【テリブル・タオル】
ピッツバーグ・スティーラーズが黄金期を迎えた70年代からの応援方法。
地元ラジオ局の名物アナウンサーの呼びかけではじまったといわれている。
強力守備陣が「恐ろしい」「厳しい」を意味する「Terrible」と合致し、
またその後、大活躍したQBテリー・ブラッドショーの語感と似ていたことから一気に普及した)

【2ミニッツ・ウォーニング】
前半と後半の終了2分前、一旦、時計が止まる。
終了前には緊迫した展開が多いので、NFLが導入した措置。
モチロンTV中継とともに成長してきてリーグだけに、
緊迫した場面でCMを入れることができるという大きな利点もある。

【ノーハドル・オフェンス】
通常、攻撃の前に作戦を伝えるために円陣を組むが、それを組まない攻撃方法。
主に時間がないときに用いるが、相手を惑わす戦略として用いることもある。
円陣を組んでいる時間がないため、守備側は選手の入れ替えができず、
ノーハドルを繰り返されると消耗が激しいため。
ただし時間をコントロールするという部分で大きなマイナスとなる。

【セイフティ】
相手がボールを持った状態で相手ゴール内に押さえ込むと守備側に2点が与えられる。
またボールを持った側が、自分のゴール内で反則を犯した場合にも成立する。
守備側が2点を得点し、しかも攻撃側はその後フリーキックでさらにボールを相手に与えることになる。

【ヴィンス・ロンバルディ・トロフィー】
スーパーボウル・チャンピオンに与えられるトロフィーは純銀製でティファニーが製作している。
第1、2回のスーパーボウルを制したグリーンベイ・パッカーズのヘッドコーチ、
名将ヴィンス・ロンバルディの名を冠している。
なお、AFCチャンピオンはAFCの前身AFL(アメリカン・フットボール・リーグ。
NFLの対抗リーグだったが、吸収合併された)を創設したラマー・ハントの名を冠した
ラマー・ハント・トロフィー、
NFCチャンピオンには、NFLチャンピオン6回、通算324勝という記録を残した
シカゴ・ベアーズの初代HCジョージ・ハラスの名を刻んだジョージ・ハラス・トロフィーが贈られる。

蛇足だが、「AFCとNFCのチャンピオンが対決するボウルゲーム」として当時流行していた
ゴム製のスーパーボールから「スーパーボウル」という名称をつけたのもラマー・ハントである。


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