第九夜 -海岸- @Nha Trang [Vietnam]
市場の茶店に別れを告げ、路地裏や裏通りを巡る街歩きを続けた。
茶店を出た後の市場の裏手では、肉や魚がそのままの姿で客を待っている。
注文を受けた店先では、大きく切り分けられた肉の塊は手際よく捌かれ、
大きな魚は食べやすいサイズにぶつ切りされる。
カゴにいた鶏や家鴨は店の裏で悲鳴もあげずに絞められ、店先で羽をむしられていた。
アジアでもヨーロッパでも 市場には「生」が満ち溢れている。
特に肉はありのままの姿をさらし、ケモノであったことを連想させる「肉槐」が並んでいる。
客は当たり前のように「塊」を選ぶ、店員は馴れた手つきで「塊」を捌く。
食べやすい形になっていない肉にはまだ命やエネルギーが詰まっている印象だ。
キレイに捌かれ、食べるだけ形を成しているパック詰めの肉は「製品」、
命や生命のニオイはまったくない。
目の前で骨を砕き、肉を裂くなんて光景は日本の日常生活ではほとんど目にすることがない。
たかだか肉を捌くだけの話しだが、
ケモノを連想させるこの形は子供ばかりか大人にも情操教育にも必要かもしれない。
日本の生活は「食」を求めるため「命」を壊していることを忘れていないだろうか。
声を上げることもなく、手際よく絞められるトリを見て、ちょっと哲学的な考えに浸ったかも。
淡々と絞めたトリを捌くオバチャンのとそれを待つお客のオバチャンの姿に当てられたかな?
白い砂浜が広がるビーチに戻ってきた。
日光浴をする気はなかったが、海岸でノンキに読書もいいかも、と思ったのだ。
夜行バスの車内では読書もできないだろうから、コーヒー片手にビーチもいいかな。
週末の海岸は地元の人でにぎわっている。
小さな子供がお父さんと凧を持って、砂浜にやって来た。
糸を凧に結びつける父を待つ男のコ。
お父さんにカメラをさしながら声をかけてみた。
親子の姿を撮りたくなったのだ。
テレ笑いのお父さん。
男のコは不審(?)な外国人に照れながら父の後ろに姿を隠す。
お父さんが男のコをカメラに向けて押し出してもスグに後ろに。
持っていた日本のアメで機嫌をとったが、男のコは最後までお父さんの後ろだった。
ヴェトナムの人は、押しなべて照れ屋サン。
カメラを向けるとみな照れる。
かなり極端なシャイっプリで、どことなく昔の日本人に似ている。
「ありがとう」とヴェトナム語で伝え、お別れ。
休日の微笑ましい父と子。
アイスコーヒーの行商がいないか、探しながら海岸を歩くと、今度は学生の一団。
ヴェトナムの女子学生の一団に「写真を撮ってくれないか」とカメラを差し出された。
コンパクト・カメラあり、使い捨てカメラあり、3~4個預かって、記念撮影をパチリ。
遠足?学校帰り?なんで記念撮影?高校生?なんのグループ?
英語も通じないところを見ると中学生だろうか。
ヴェトナムに着て初めて「アオザイ姿」を見た。
預かったカメラの撮影を終えて、持っている一眼レフを指差す。
身振り手振りを交え「みんなの写真撮らして」と大声で頼むと、きゃあ、きゃあと大騒ぎ。
外国人に写真を撮られるのがおもしろいのか、一眼レフで撮られるのがうれしいのか、
撮れた写真をデジカメのモニターで見せてあげるとまた大騒ぎ。
オンナのコの笑い声は万国共通で理解不能です。
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中学生の頃、学校へ行く近道に肉屋さんがあり、鳥の首を落とす
ギロチン状の木の台に、長年の血の跡があるのを、怖いもの見たさで
見たものです。魚も買ってきて家でおろしていましたね、そういえば。
アオザイ姿いいですね。
by quartier (2008-10-29 01:01)