第八夜 -酒宴- @Phan Tiet [Vietnam]
7:30のバスでホー・チ・ミン・シティ(HMC)にお別れ。
シン・カフェの前でバスを待つ。
ところが次から次に現れるバスのどれが自分の予約したものか、わかりづらい。
待っていてもラチがあきそうにないので、バスが止まるたびに運転手を捕まえ、行き先を聞く。
定刻どおりにはこないだろう、と高をくくっていたが、バスはすぐにやって来た。
目的地は「ニャチャン(Nha Trang)」、海岸沿いの町まで8時間。
また長いバス旅がはじまった。
商業と経済の街であるHMCでは、ショッピング以外に目ぼしいものはなく、
その気のない身としては、この街での滞在はカンボジアで放電した分を蓄えるものと割り切った。
幸い、めぐり合った安宿は快適な設備とサービスが揃っていて、2泊の間に充電完了。
こういう宿では他の宿泊客との交流も楽しく、またそれが旅の活力にもなった。
コーヒーを飲もうとロビーに下りると、フロントで清算している女性がいた。
明朝の出発が早いらしく、あらかじめの清算。
こちらもバスで朝が早いことを思い出し、ついでに清算してもらった。
彼女はハノイからHMCへ下ってきた、という。
恰好の情報収集相手だ。
コーヒーを入れ、途中の街の見所、オススメ・スポットを尋ねた。
ヴェトナム情報をあれこれと話しているうちに彼女はゲラゲラと笑い出した。
「どうしたの?」
「アナタ、ナニ人?」
「日本人だよ」
「そうよね、さっきパスポートもみたけど。でもなんでシングリッシュ?」
「あ」
『シングリッシュ』とはシンガポール訛りの英語のこと。
語尾を延ばすのが特徴で、「ら~」をつけるクセがある。
「OK」=「オッケ~ら~」、NO=「の~ら~」、
「できない」=「キャンノーら~(Can not la~)」なんて言葉が特徴的だ。
「以前、シンガポールで働いていたんだよ」
「ヴェトナムでシングリッシュに会うとは思わなかったのよ、笑ってごめんね」
「モー・マン・タイ・ら~(無問題la~)」
ゲラゲラと笑い声がまた大きくなった。
峠を越え、海岸線に出たバスはトイレ・ストップを取りつつ、12:30にムイネー(Mui Ne)に到着した
ランチ・タイムも兼ねての休憩は45分。
バスが横付けしたホテルのレストランに乗客が列を成している。
ここムイネーとファンティエット(Phan Tiet)の町は海沿いのリゾート・エリア。
海岸沿いに並ぶホテルもオシャレなスタイルでリゾート価格。
途中の車窓からはビーチ・リゾートやゴルフ場がいくつも見え隠れしていた。
経済的な旅を目指す「バジェット・トラベラー」には縁遠い場所。
そのため、立ち寄るつもりはなかったが、ランチ休憩で思わぬ散策タイムとなった。
固くなったカラダをほぐしつつ、ビーチへ。
すると木陰でくつろぐ地元の人がいる。
のどかな情景に「写真撮っていい?」とカメラを示すと照れくさそうに笑った。
旅を進めるに連れてわかってくることだが、ヴェトナムの人はおしなべてシャイ。
カメラを向けると大いにテレる。
それでも数枚のカットを撮らしてもらい、デジカメのモニターで写り具合を見せると、オオウケだ。
デジカメはこんなところが楽しい。
「おまえも座って飲めよ~」
機嫌が良くなった彼らが、身振り手振りでいう。
彼らのヴェトナム語はわからないし、こちらの英語は通じてない。
多分そんなニュアンスでしょう、とご好意に甘え、円陣に腰をおろした。
職人さんたちが弁当を食べているのかと思ったら、大間違い。
昼間っから酒宴、焼酎のような蒸留酒をひっかけている。
ショット・グラスに注がれた酒を飲み干すと、ヤンヤの喝采。
バスの出発時間が迫っているのが口惜しかった。
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昔勤めていた組合で、フィリピンの組合と交流があり、
なまっている英語だなと思いました。そんな感じなんですね。
おんなじお箸の文化なんですね、そちらから来たのかな。
by quartier (2008-09-30 01:19)
シングリッシュ・・・面白いですね!
by 斗夢 (2008-09-30 05:44)
みなさん書き込みありがとうございます!
>quartierさん
アジア系はどこもズルズルですね(笑
インドの方のえいごもわりと・・・
>斗夢さん
いちおう旧英国領なので、「クイーンズ・イングリッシュ」なんです。
会社はXXXTour Cntre と米語とCenterの綴りが違うし、
「gotta」などの略語が通じません。
日本ですと「米語」がまかり通ってますが、
丁寧にしゃべるクイーンズ・イングリッシュは
「英語」=東京弁、「米語」=「関西弁」のイメージでした。
by delfin (2008-09-30 21:59)