第七夜 -道路- @Ho Chi Minh City [Vietnam]
この国の人はあまり信号や交通法規を守らない。
ニギヤカなホー・チ・ミン・シティに限ってのことかもしれないが、
バイクはもちろん、クルマやバスもわれ先に交差点に飛び込むため、始終、酷い状態になっている。
赤信号でも止まる気はサラサラなく、交差点周辺はクラクションと排気ガスが渦巻いている。
大通りは交通量も多いため、さらに酷いことになり、結局、警官が交通整理をすることになる。
調子がいいもので、交差点に警官が立つと、急にみんな優等生。
信号が青になっても警官の指示があるまで動き出さない。
そういえば添乗でたびたび訪れた中国もまったく信号を守らない国。
「青はススメ、黄色は気をつけてススメ、赤は急いでススメです」
とガイドが冗談めかして言っていたが、実際に交差点を走ると彼が表現したままの無法状態だった。
発展途上や後進国に限ってのことなのか、というと、これがそうでもない。
ヨーロッパでも南のラテン系の国々だと、信号を守らない人は多い。
「快適な暮らしをするためのルールとして定められているのだから、快適でないと判断すれば守らなくてもいいものだ」
と口にする人が多かったことを覚えている。
日本に来た経験があるフランス人が、
「真夜中に誰もいない交差点で、赤信号で止まっている車を見たとき、すごい国だと思った」
と言っていたのは冗談なのか、イヂワルなのかはわからない。
オーストラリア人のバス・ドライバーはレンタカーを借り、
家族4人で日本を巡った経験がある、と楽しそうに話してくれたのを思い出した。
「どこが一番良かった? 日本で印象に残ったのは?」と尋ねると
「家族で一番盛り上がったのは『ガソリン・スタンド』だね。日本のアレはすごいね」
「『ガソリン・スタンド』? 子供がクルマ好きなの?」
「いや違うよ。窓は拭いてくれるし、灰皿を洗い、エンジン・ルームも点検してくれる。
こっちは座ったままでお金まで払えるのはすごいよ。
おまけに帰るときは、スタッフが道路に出て、命がけでクルマを止めて、僕らを送り出してくれるんだ。
あれは他の国にはないシステムだよ」
「セルフ式のスタンド」が普及する前のお話し。
国が違えば、視点も違うものである。
朝や夕方のラッシュになるとホー・チ・ミン・シティの道路事情はさらに惨い。
ただでさえ多いバイクが倍増し、道路に溢れかえる。
溢れかえったバイクは車道だけにとどまらず、空いている舗道も走り出す。
「道路」という道路がすべてバイクで満ち溢れる。
おちおち気を抜いて舗道を歩いていられないかというとそうでもない。
バイクは慣れたもので、歩行者を巧みに避けていく。
日々の通勤で培ったテクニック?!
この街を歩いていて、こちらもバイクを避けるテクニックを身につけた。
交通量の激しい道路を渡るとき、「青信号」だからと気を抜いてはいけない。
向こうが「赤信号」を守ってくれる保証はない。
とはいえ、慌てて走ったり、バイクを避けよう、と思ってはいけないのだ。
堂々と歩く。
「急流」に抗わず、逆らわず、「流れ」に身を任せるように渡る。
これでOK。
基本、運転手は「人を轢こう」とは思っていないわけです。
バイクもクルマも「轢く」ために運転しているわけではないので、そこに委ね、歩けば、向こうが避けてくれるわけですね。
できることならドライバーと目線を合わせるのがコツで、これで危険度はかなり下がります。
ただしバイク乗りは、排ガスよけに覆面やハンカチを巻いているので、かなりアヤシイ状態です。
身をかわそうとする、なんてのはもってのほかで、よけた方向にバイクが飛び込んできますぜ。
以上、役に立たないヴェトナム情報。
え? 事故は起きないのかって? 始終、そこらで「ガシャン」って音がしてます(笑
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スイスで、山の端の先が見えない狭い道でも
スピードを出して走るので恐ろしかったのですが
車を運転している歴史が長く、身体の一部になっている
と、感じたことがあります。
by 斗夢 (2008-09-28 05:39)
すごい熱気を感じます。ただただ感嘆するばかり。
ただの日常の風景なのか、発展している国の熱気なのか。
アオザイの方がこちらを見ています。
いいですねアオザイ姿。
by quartier (2008-09-28 08:36)
すみません、ハワイの免許証の話、勝手に引用させてもらいました。
by quartier (2008-09-28 08:37)