第七夜 -珈琲- @Ho Chi Minh City [Vietnam]
フランス統治時代の古い建物を眺めて歩く。
いまだ「サイゴン」という言葉を使いたがる日本人は多いが、街の中はもちろん、人々の口にもその言葉に会うことはない。
使用を統制されているのか、はたまた忘却の彼方の名称なのか、それはわからない。
「江戸」を捨て「東京」に移った明治の日本もこうだったのだろうか。
暑さと排気ガスに負け、オシャレで現代風なカフェに沈んだ。
最近は東南アジアでもスターバックスに似たシャレたカフェが急増している。
コーヒーそのものを「ネスカフェ」と呼ぶ東南アジアでも人々の嗜好は変わりつつあるのだろうか。
シンガポールで仕事しているとき、ランチタイムに「レギュラー・コーヒー」を出している店を察すのに苦労した。
食後に「コーヒーを一杯」と思っても、出会うのは「ネスカフェ」ばかり。
コーヒーというとシンガポールでも例に漏れず、コンデンス・ミルク(練乳)が沈殿するほどタップリ入ったヤツだ。
現地では「コピー」と呼ばれ、砂糖と練乳がシッカリ入った大甘な飲み物。
紅茶の場合は「テ」、いずれも甘くて病み付きの味ではあるが、苦味からはほど遠い。
ミルクを抜いてもらうなら「コピー・オー」(紅茶の場合「テ・オー」)、
「コピー・オー・コソン」(同「テ・オー・コソン」)でストレートを頼む手もあるが、元がインスタントなので、あまりうまくない。
(紅茶の場合はティーバッグがホトンド)
食後に甘いモノを飲む気がしないのは、日本人的習慣なのだろうか。
さりとてうまくない「コピー・オー・コソン」を飲む気もせず「テ・オー・コソン」でまさに「お茶を濁し」ていた。
会社のスタッフに聞いてもレギュラー・コーヒーを飲む人はおらず、当然、オフィス周辺でコーヒーを出す店を知らない。
結局、ランチのエリアを広げつつ、なんとか自力でレギュラー・コーヒーを出している店を発掘したが。
オフィス街に近いこともあって、内装もイスも凝ったカフェは混んでいた。
外国人ビジネスマンは熱い日差しが刺さるテラス席を陣取っている。
メニューを見るとコーヒー16,000ドン、
アイスコーヒーが18,000、
ランチ一回より高いのね。
ヴェトナムでは旅行者にとって、もうひとつ重要な「カフェ」がある。
バス、鉄道、航空機のチケット販売や観光ツアーの手配をしてくれる旅行代理店が「カフェ」を名乗っている。
どうやら長距離バスを運営し、旅行者の手助けをビジネスにした「シン・カフェ」と呼ばれる会社がことのはじまりで、
これにあやかる同業者が「XXカフェ」と名乗り出し、
旅行者が集う通りにはコーヒーを出さないカフェが軒を連ねることになった。
そのシン・カフェで「オープン・バス・チケット」を購入した。
このチケットは目的地を選ぶと、途中の下車回数によって料金が決まる。
ハノイ行き、途中3つの町で下車、これで$23。
追加料金を払えば、下車回数は増やすこともできるし、
「オープン」の名のとおり、予約しだいで好きなときに利用できるフレキシブルさがいい。
澄んだアイスコーヒーを口にしながら、本と地図を広げ、この街以降の行程を練り直すことにした。
ハノイへの北上の道のり、ヴィザ期限は15日間、日数はまだある。
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そういうこともあるんですね、インスタントでいっこう構わないので
その点、大丈夫です。
旅というのは漫然と旅していてもだめなんですね、いろいろ
考えながらいかないと。
by quartier (2008-09-27 09:08)