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Escape vol.80 あんたらとわたしらは祖先が一緒らしいね─クスコ [MailMagazine]

Escape vol.80 あんたらとわたしらは祖先が一緒らしいね─クスコ
http://escape.mailvision.jp/bn/20030724/index.html

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インカ遺跡への玄関口である小さな町、クスコ。

この町の名を知らなくても、空中都市「マチュピチュ」の名を知らない人は少ないだろう。
そのマチュピチュへのゲートシティ、それがクスコの町だ。

ペルーの首都である海沿いの街、リマから国内線で約1時間のこの町に降り立つと、
すべての旅人を待ち受ける手厚い出迎えがある。

“高山病”である。

3,300mの高さを誇るこの町は、当然ながら酸素が薄い。
飛行機から下りた瞬間に倒れる人がいるぐらいだ。
富士の山頂とまではいかないが、
それに近い標高のこの地では「してはいけないことがある」と、リマで脅かされてきた。

それは3つ、
“大声を出すこと”
“走ること”
そして“風呂に浸かる”ことだ。

普段はなんでもない行為が、ここでは危険な行為となる。
広場の向こうにいるで友達を大声で呼び、そのまま後ろに倒れた観光客がいる、
というウソのような実話があるそうだ。

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“高山病”の症状は頭痛、吐き気、眠気、だるさなど人によってさまざま。
意にも介さず平気な者、慣れるのに数日かかる者、前回平気でも今回ダメになる者…。

対応策として、コカの葉を煎じたコカ茶を飲んだり、
ホテル備えつけの酸素ボンベを吸引しても、その場しのぎでしかない。

こいつの特効薬はたったひとつ「下山すること」。

ひとまず過敏な動きをセーブしていたせいか、カラダが慣れてきたようだ。

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この町にもインカの遺跡は観余るほどある。

巨岩が連なる砦「サクサイワマン」、
生贄を捧げた神殿「ケンコー」、
不思議にも水が湧き出る王の保養所「タンボマチャイ」、
そして町の中心にあるアルマス広場から程近い場所には、
精密に切り込まれた「12角の石」、知られていない遺跡ひしめく町なのだ。

しかしそれら全部を合わせるよりも空中都市「マチュピチュ」は魅力的だ。

クスコの遺跡を見ながらも、心はマチュピチュに吸い寄せられていく。

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インカ道をトレッキングし、マチュピチュを目指す、というのも一興だったが
“高山病”と“疲労”のタッグに完勝できるかどうか定かでないため、
夜明け前の登山電車に乗りこみ、空中都市を目指すことにした。

しかし駅で待っていたのは「車両故障で電車は動かない」という悲しい知らせを告げる駅員だけだった。

あまりにペルーらしい出来事に呆然としていると駅員が「向こうへ行け」という。
これにはカチンときて高山病を無視して、大声で怒鳴り散らす決意を固めたら、
誰もが荷物を持って、駅員に付き従うように動きはじめた。

怒りの対象も動き出してしまったので、しかたなく後を追う。

すると、そこにはバスが止まっていた。
怒りの対象であった駅員にチケットを見せ、押し迫ると笑顔でバスを指差した。

「電車が動かないから、途中駅までバスで移送する」ことになったのである。

ペルアーノと高山病を敵に回し、一戦交えなくて正解だった。

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安いチケットはココ!

しばらく走ったバスはウルバンバ川沿いの町、「オリャンタイタンボ」で停車、
しばしの小休止となった。

客たちはこの町の巨石遺跡に足を向けたが、自分は町外れで開かれていた市場に惹かれた。

アンデス原産のさまざまなトウモロコシやじゃがいもが並ぶ。
「チチャ」という名のドブロクを味わうお年寄り、その間を走り回る子供…
小さいながらも活気あふれる地元の市場だった。

カメラ片手にウロウロしていると、インディオのおばさんたちに興味深そうに覗き込まれる。

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「ハポン(日本人)かい? こんなところに珍しいね」

「あんたらとわたしらは祖先が一緒らしいね」

「カメラはキライだね、黙って写真を撮るんじゃないよ」

「お茶でも飲むかい?」

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面白がられているのか、矢継ぎ早に言葉が飛び交う。
まるで親戚のおばさんたちに叱られているような気分だったが、嫌な感じはしなかった。

ひょっとしてここでは時間が止まっているんじゃないか、そんな風にも思えた。


写真1; 「サクサイワマン」の遺跡。ケチュア語で「満腹のハヤブサ」を意味する。
写真2; クスコの町にある「12角の石」。カミソリも通らない精巧さ、といわれている。
写真3; 標高が高いため、晴天だと太陽に輪がかかって見える。
写真4; 標高が高い地では日焼けしやすい。
      太陽に近いから、ではなく、紫外線を遮る大気が薄いため。
写真5; トウモロコシやジャガイモ、トマトなどアンデス原産の野菜は多い。
写真6; パン屋さん。屋台で見たものはかたっぱしから食べたくなる・・・
写真7; チキンのスープ。山あいで小雨に降られ、震える寒さだったせいもあり、
      スープで暖を取ると絶品の味わい。あまりのうまさにオカワリしたら、笑われた。


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