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8月の「毎月ソウル」 @Seoul [South Korea (Seoul)]

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8月22日。

お盆過ぎだというのに寒い雨が降っている中、
成田空港に向かった。
いつものUA881、いつもの「毎月ソウル」だ。

昨日の日曜日はお盆休みのリターン・ラッシュというヤツで、
夕方のTVニュースは帰り着いたばかりで高揚した旅行客を掴まえ、
聞きたくもないインタビューを流していた。

その余勢が今日も残っているのか、
あるいはピークを外してこれから出かける人たちなのか、
いつにも増して、成田空港はごった返し、妙な熱を帯びている。

チェックイン・カウンターの行列をよそに、
自動チェックイン・マシンでボーディング・パスを打ち出すと、
一桁の番号が割り当てられていた。

どうやら混雑により、ビジネス・クラスにアップグレードされたようだ。
混雑をすり抜け、レッド・カーペット・クラブに飛び込んだ。

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混んでいる空港はニガテだ。

海外専門のツアー・コンダクターをやっていた頃、
実は混雑する成田空港とは無縁だった。

「添乗員付きのツアー」はツアー・フィーがかさむため、
閑散期に設定されることが多い。
繁忙期のGWやお盆時期に出国することは少なく、
唯一、ツアーが設定されている年末年始は、
自分でスケジュールを閉ざしていた。

「雑煮を食いたいから」というシンプルな理由で。

毎年、雑煮を食うや否や、トルコに出向いていた記憶がある。
三が日を過ぎると航空代金がグッと下がるため、
当時、割高だったトルコのツアーがよく組まれていた。
コース的にも未開の部分が多く、それを任されていて、
4~5年の間は年明けにトルコに飛ぶというスケジュールだった気がする。

ツアコンをしているとよく言われるのが、
「いろいろなところにいけてイイデスネ」とか、
「好きなところに行けるのデショウ」というやつで、
幾度となく、ツアーのお客さんの口から発せられた。

お客さんからすると
「生涯一度のモン・サン・ミシェル」とか「記念のスペイン巡り」なので、
この質問の意図はわからないでもないが、
添乗員というヤツは同じコースを何度も巡るのである。

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当時、イタリア・ブームだったこともあり、イタリア周遊は毎月のことだった。

ローマのガイドには毎月日本の週刊誌を渡しつつ(土産で一番喜ばれる品物だ)、
「来月、何が欲しいです?」なんてジョークも飛ばしていたし、
コロッセオなど繰り返し訪れる観光名所はお客さんを流し込むと、
カフェ・タイムでしかなかった。

同じツアー、同じコースを回る、ということは、
同じものを見て、同じものを食べる、ということだ。
その国に一度しか行かないであろうお客さんにはそういう意識はないらしい。

レストランのギャルソンからは「次は何を食べにくる?」なんてからかわれたが、
お客さんに出されるメニューを確認するのがシゴトなので、
おいそれと好きなものを食えるわけではなかった。

成田で顔を合わせ、同じフライトに乗り、
同じ観光地を巡り、同じ食事をして、同じホテルに泊まる。
ツアー・コンダクターとは24時間、知らない人と旅をするというヘンな職業だ。

朝来て、観光案内して、帰っていくガイドのほうがよぽど仕事然としている。

お客さんが体調を崩せば、看護師、
外国語ができなければ、通訳、
道がわからなければ、案内人、
荷物が重ければ、ポーター、
旅の間は24時間のなんでも屋さん。

ちなみに観光案内はいたしません、
国にもよりますが、「ライセンス」がなければ違法行為なので。

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そんなツアーに出るときは閑散期の空港がホトンド、
広いロビーにお客さんを集めて、出発の説明をするのが常だった。

だから混んでいる空港には面食らうのだ。


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コメント 6

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私たちが考える添乗員さんの有り様と、やはり違いがあるんですね。。。今は、その経験を活かし、様々な国を歩く。
羨ましいです。自分にもその想いと情熱があったら、今とはまた違う生き方をしてたんでしょうね。悔いはないけど、delfin さんの紀行を読ませて頂いていると、何かが自分の中で広がります(^^)
by お名前(必須) (2011-11-10 23:09) 

ナツパパ

様々な人がいて、その人が「お客様」なんですから、ご苦労は察するにあまりあります。
国内でも、同じところに出張で何回も行けば、相当飽きますものねえ。
by ナツパパ (2011-11-11 06:24) 

delfin

>ぞうさん

お客さんは「いいところ」しか見ないですからね(笑

「お湯が出ない」って夜中に電話かかってくると、
キレますよ(笑
「わしはボイラーマンか」って。

広がってくれるとうれしいです。
一方的で勝手なことばかり書いているブログなので。

視点が偏らないように、って思ってますけど、
所詮は独りよがりかもしれませんので~

呆れずにお付き合いを!
by delfin (2011-11-11 20:54) 

delfin

>ナツパパさん

国内天井の経験もありますが、
言葉の都合か、海外のお客さんのほうがまだ無理を言わないかも、です。

なので、人の世話が好きな人に向いた仕事ですね。
「旅が好き」とか「英語ができる」ひとはどんどん退いていきます。

「出張」はいいですよ~
自由な時間がありますもの~
ツアコンは異国で24時間囚われの身~
by delfin (2011-11-11 21:06) 

tomoe

私も昔はツアコンとかいいなぁって(ろくに英語も出来ないくせに)
思ったことがるのですが、やっぱり良くないかも・・・って
思いました。昔ツアーで旅行に行ったとき、わがままなお客様とか
いて本当に大変そうでしたもの。ご苦労様でした~

by tomoe (2011-11-12 12:37) 

delfin

>tomoeさん

英語でないツアコン、たくさんいますよ(笑
前述しましたが、「英語」はあんまり重要じゃないんです。
ガイドいるし。

お相手は日本のお客さんですから~
by delfin (2011-11-12 20:55) 

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