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懐かしい味 @Seoul [South Korea (Seoul)]

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5日目、帰国日は朝から激しい雨が降っていた。

いつものユナイテッドは正午のフライトなので、
9時ごろに目の前のバス停からリムジンバスに乗ればよかった。
大して荷造りの用意もない身としては、
のんきに8時ごろにキッチンに下りていった。

朝のキッチンは学校に行く人や元気に観光に出向く人でワサワサしている。

急ぐ身ではないので、淹れたてのコーヒーを取り、
スタッフと話しなどしていた。
すると昨晩一緒に盛り上がったシンガポリアンの女性が降りてきた。

「朝食食べた?」

「いや、空港で食べようかと思って」

「昨日の話の通り、起きてこられたから、
朝食作るわね。食べていってよ」

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昨夜、彼女は韓国人のコにチゲの作り方を習っていた。
彼女も午後の便で帰るらしく、
「余った食材で朝食を作ってから出るから、
空港へ行く前に初めて作るチゲの実験台になりなさいよ」
という話しをしていたことを思い出した。

起きられるかわからないから、キッチンで会えたら、
というアバウトな約束だったので、スッカリ忘れていた。

作る、という申し出を無碍にするのも悪いので、
コーヒーを飲みながら、料理ができるのを待った。

「時間ダイジョウブ?」

「ああ、9時過ぎに出れば平気だから、ダイジョウブだよ」

「これ、食べる?」

スクランブル・エッグのような、玉子焼きのような
シンプルな玉子料理が皿にのせられていた。

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「これってシンガの?」

「あら、よくわかったわねえ」

シンガポールにはシンガポールらしい「玉子焼き」がある。
刻んだタマネギを多目の油で炒め、そのまま溶き玉子をかけ、焼き上げる。
オリジナルはマレー料理かもしれないし、
名前自体も知らないシロモノだが、
シンガポールの屋台でもレストランでもお目にかかれる料理だ。

チゲを作っているのにやけに油の香ばしいニオイがするなあ、と思っていたら、
コイツだったのだ。

「うわああ、なつかし~~。好(ハオ)ラ~~」

「やっぱりあなた、シンガポリアンだわ」

「ソウルでこいつを食えるとは思わなかったよ」

「シンガポール人なら誰でも作れるわよ」

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塩も砂糖もダシも入らない素朴な玉子焼きなのだが、
かつて暮らしていたときの味が一気に蘇った。

「もうチゲ、イラナイや、パンとコイツだけで感激!」

「え~。チゲもうできたからこれも食べてよね」

「あはは、冗談だよ、食べる食べる」

帰国日の朝、思わぬところで思わぬ味に出会った。


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