メクチュとソジュ @Seoul

宿のキッチンでスタッフも誘って、チキンに噛り付こうと思っていた。

「チキン、一緒に食べない？」

「そんなのいいから、飲みに行きませんか？」

「なんで？急に？」

「いや『バックパッカーズ・コリア』のお客さんに、
飲みに誘われているんですよ。
だからよかったら合流して、飲みに行かないかと思って」

「メイワクじゃないなら、喜んで行くけど？」

「じゃあ、いきましょう」

「チキンどうするんだよ」

「明日、明日」

スタッフの明るい英語が響いた。


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チキンのお誘いから意外な展開。
これまた「ゲストハウス」ならではの利点かな。
一人でもてあましている客には、
世界中から話し相手が現れるゲストハウスはちょうどいい。

買って来たフライドチキンとキンパプを部屋の冷蔵庫に押し込み、
ふたたび宿から出かけた。

「ドコまで行くの？」

「すぐそこですよ、近所の居酒屋さんです」

「へえ、あんまりこの辺は探索したことないな」



３分もしないで居酒屋に到着。
こじんまりとした飲み屋さんのテーブルは全部埋まっていて、
奥の座敷に案内された。

「へえ、地元の人はこういうところで飲んでるんだあ」

上着を脱ぎ、板の間に腰掛けると、
西洋系の男性が遅れてやってきた。

「彼、カナダ人のＮｏｈ」

「どうも、はじめまして。呼ばれてきたんだけど、よかったかな」

「はじめまして。かまわないよ、人数が多いほうが楽しい」

カナダ人、日本人、ゲストハウスのスタッフはもちろんの韓国人で、
奇妙なオトコ４人の飲み会がはじまった。



「メクチュ（ビール）、飲みますか？」

「ビールはいいよ、ソジュ（焼酎）が飲みたいな」

カナダ人の彼がつぶやく。

「酒よりもなんか食いたいよ」

日本人のわたしがつぶやく。

「あはは、チキン食わせないで連れてきちゃったからね。
チジミとか腹に溜まるものを頼みましょう」

そういうと店員に声をかけた。


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タグ：韓国 ソウル チキン キンパプ キムパプ 太巻き のり巻き 飲み屋 居酒屋 ソジュ メクチュ