Escape vol.94 MLBキャンプ─アリゾナ [MailMagazine]
Escape vol.94 MLBキャンプ──アリゾナ
http://escape.mailvision.jp/bn/20031030/index.html
グランド・キャニオン・ステイツとあだ名されるアリゾナ州の名物は、
グランド・キャニオンに代表される壮大な景観ばかりではない。
北部が冬の寒さから抜けきっていない3月、
ここでは早くも球音が響き渡り、その音は春どころか夏の香りを運んでくる。
州都・フェニックス近郊のピオリア、スコッツデール、ユマ、メサ、テンピといった町々には、
アメリカ全土からMLB10 チームが滞在し、
“カクタス・リーグ(アリゾナ名物サボテンの意)”と名づけられたこのエリアで
1カ月前後のトレーニング・キャンプを張るのである。
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選手たちがゲッソリする過酷なキャンプも野球ファンには垂涎のゴチソウだ。
練習フィールドに張り付き、フェンスごしに選手にサインをねだる子供たち、
ビール片手に“おらがチーム”を応援する老夫婦、
日光浴気分で水着姿で芝生席に寝そべるカップル…。
フロリダ=“グレープフルーツ・リーグ”(ヤンキース松井=タンパ、ドジャース野茂・石井=ベロビーチなど)は、
チーム数こそ20とアリゾナを上回るが、なにぶんチーム滞在都市間の移動距離が長く、
観戦者、旅行者にはツライ。
“カクタス・リーグ”はレンタカーさえあれば1日3、4チーム見ることが可能。
レンタカーが不得手なら球場間を走るシャトルバスを使えば、
旅行者でも気軽に球場に足を運び、選手たちを身近に感じることができる。
メジャーに残る選手をふるいにかけるべく、オープン戦は連日連夜、各地の球場で行われ、
デイ&ナイトゲームのオープン戦ハシゴ、なんてゼイタクもできる。
「あんたもビールどうだい?」
不意に声をかけられた。
「リタイアしたらアリゾナに住み着くことだな。フロリダなんか治安が悪くて住んでられないよ。
ここなら全米で一番早くベースボールを観ることもできるし、
今ではフェニックスでレギュラー・シーズンを観ることができるからな」
ビール片手にすっかり上機嫌のオヤジさんはドでかいクーラーボックスを開けて、ビールを勧めてくれた。
「ここのスタッフは全部ボランティアだよ。地元老人会みたいなものでね。
毎年この時季になると、球場に借り出されるのよ。もちろん呼ばれなくても来るのだけどね」
派手な色で統一されたポロシャツを着たスタジアムの案内人のオバアサンは
ウインクしながら答えてくれた。
立ち話を続けていると、大きな声で呼びかけられた。
「お~い! 日本から来たのか? 日本ではベースボールは有名なのか?
日本で有名な“スモーレスリング”とどちらが人気があるんだい?」
試合開始前の退屈な時間、日本人を暇つぶしのネタにしようという輩から無遠慮な声がかかる。
その声の方向を探すと、スタンドの客たちの視線がこちらに集まっていることに気づいた。
どうやらさっきの声で一瞬にして日本代表にされてしまったようだ。
意を決して答える。
「もちろん人気ナンバーワンは“スモーレスリング”です。
あのイチローも子供のころから“スモーレスリング”に憧れていたけど、
あのスリムな体格のせいでその道をあきらめたのです」
スタンドのサングラス顔たちがうなづいている。
東洋の神秘をさらに謎に包むことに成功し、煙に巻けたようなので逃げるように立ち去ることに。
「ベースボールにビールがあれば、他になにもいらないよ」
芝生席で寝転んでいる観客が楽しそうに語る。
「おっと、ホットドッグは忘れちゃ困るぜ」
納得の一言。
スタジアムの駐車場には、
マリナーズの地元・ワシントン州、
エンジェルスのカリフォルニア州、
熱狂的なファンが多いホワイトソックス、カブスのイリノイ州など、
はるか遠くの州のナンバー・プレイトがあたりまえのように並んでいた。
ベースボール・ファンにはうんざりするようなロングドライブも苦じゃないのである。
協力:アリゾナ州政府観光局
http://www.visit-uswest.org
写真1; サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ。
写真2; 野球を観るにはビールにホットドッグ、ポップコーンが必需品!
写真3; ビールのキャンペーン・ガール? いえいえ、彼女たちもローカル・ボランティア。
写真4; オープン戦でもチーム専属のスタジアム・アナウンスがつく。
写真5; アリゾナ州の旗。「サンシャイン・ステイツ」のアダナのとおりの旗だ。
写真6; 名物サボテン。とはいえ、フェニックスの町の周辺ではあまり見かけない。
写真7; ネクスト・バッターズ・サークルのボンズ。
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http://escape.mailvision.jp/bn/20031030/index.html
グランド・キャニオン・ステイツとあだ名されるアリゾナ州の名物は、
グランド・キャニオンに代表される壮大な景観ばかりではない。
北部が冬の寒さから抜けきっていない3月、
ここでは早くも球音が響き渡り、その音は春どころか夏の香りを運んでくる。
州都・フェニックス近郊のピオリア、スコッツデール、ユマ、メサ、テンピといった町々には、
アメリカ全土からMLB10 チームが滞在し、
“カクタス・リーグ(アリゾナ名物サボテンの意)”と名づけられたこのエリアで
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練習フィールドに張り付き、フェンスごしに選手にサインをねだる子供たち、
ビール片手に“おらがチーム”を応援する老夫婦、
日光浴気分で水着姿で芝生席に寝そべるカップル…。
フロリダ=“グレープフルーツ・リーグ”(ヤンキース松井=タンパ、ドジャース野茂・石井=ベロビーチなど)は、
チーム数こそ20とアリゾナを上回るが、なにぶんチーム滞在都市間の移動距離が長く、
観戦者、旅行者にはツライ。
“カクタス・リーグ”はレンタカーさえあれば1日3、4チーム見ることが可能。
レンタカーが不得手なら球場間を走るシャトルバスを使えば、
旅行者でも気軽に球場に足を運び、選手たちを身近に感じることができる。
メジャーに残る選手をふるいにかけるべく、オープン戦は連日連夜、各地の球場で行われ、
デイ&ナイトゲームのオープン戦ハシゴ、なんてゼイタクもできる。
「あんたもビールどうだい?」
不意に声をかけられた。
「リタイアしたらアリゾナに住み着くことだな。フロリダなんか治安が悪くて住んでられないよ。
ここなら全米で一番早くベースボールを観ることもできるし、
今ではフェニックスでレギュラー・シーズンを観ることができるからな」
ビール片手にすっかり上機嫌のオヤジさんはドでかいクーラーボックスを開けて、ビールを勧めてくれた。
「ここのスタッフは全部ボランティアだよ。地元老人会みたいなものでね。
毎年この時季になると、球場に借り出されるのよ。もちろん呼ばれなくても来るのだけどね」
派手な色で統一されたポロシャツを着たスタジアムの案内人のオバアサンは
ウインクしながら答えてくれた。
立ち話を続けていると、大きな声で呼びかけられた。
「お~い! 日本から来たのか? 日本ではベースボールは有名なのか?
日本で有名な“スモーレスリング”とどちらが人気があるんだい?」
試合開始前の退屈な時間、日本人を暇つぶしのネタにしようという輩から無遠慮な声がかかる。
その声の方向を探すと、スタンドの客たちの視線がこちらに集まっていることに気づいた。
どうやらさっきの声で一瞬にして日本代表にされてしまったようだ。
意を決して答える。
「もちろん人気ナンバーワンは“スモーレスリング”です。
あのイチローも子供のころから“スモーレスリング”に憧れていたけど、
あのスリムな体格のせいでその道をあきらめたのです」
スタンドのサングラス顔たちがうなづいている。
東洋の神秘をさらに謎に包むことに成功し、煙に巻けたようなので逃げるように立ち去ることに。
「ベースボールにビールがあれば、他になにもいらないよ」
芝生席で寝転んでいる観客が楽しそうに語る。
「おっと、ホットドッグは忘れちゃ困るぜ」
納得の一言。
スタジアムの駐車場には、
マリナーズの地元・ワシントン州、
エンジェルスのカリフォルニア州、
熱狂的なファンが多いホワイトソックス、カブスのイリノイ州など、
はるか遠くの州のナンバー・プレイトがあたりまえのように並んでいた。
ベースボール・ファンにはうんざりするようなロングドライブも苦じゃないのである。
協力:アリゾナ州政府観光局
http://www.visit-uswest.org
写真1; サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ。
写真2; 野球を観るにはビールにホットドッグ、ポップコーンが必需品!
写真3; ビールのキャンペーン・ガール? いえいえ、彼女たちもローカル・ボランティア。
写真4; オープン戦でもチーム専属のスタジアム・アナウンスがつく。
写真5; アリゾナ州の旗。「サンシャイン・ステイツ」のアダナのとおりの旗だ。
写真6; 名物サボテン。とはいえ、フェニックスの町の周辺ではあまり見かけない。
写真7; ネクスト・バッターズ・サークルのボンズ。
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