迷える名刺交換 @Seoul [South Korea (Seoul)]
11月23日水曜日。
小雨が落ちるのは午前中だけで収まった。
それでも濡れた路面が寒さを誘う。
スタッフを誘い、ランチへ。
いつものことだが「旅先の一人メシ」がキライな身としては、
彼らの存在が救いだ。
フロントに居続けなければならない彼らも、
チャジャンミョンやチャンポンのデリバリーには食傷していて、
こちらの誘いを快く受けてくれる。
誘ったコチラが支払うのはもちろんだが、
お返しにカフェのコーヒーをゴチソウしてくれる気持ちがうれしい。
韓国においてはひとりでも気軽にご飯を食べられる店が多い。
それでも互いに仏頂面だろうが、安くて質素なランチだろうが、
連れが居ることは「一人メシ」に数倍するおいしさがある。
この日のランチは「石焼きビビンパ」を目指した。
といってもホステルから徒歩3分の居酒屋。
ここがおいしくて安くて、申し分なくお気に入り。
スンドゥブ・チゲ、ビビンパ、石焼ビビンパの、
3種に限られたランチ・メニューだが、どれも味がいい。
日本の焼肉屋で食べたら、シッカリした値段を押し付けられそうな、
「チュクミ(イイダコ)の石焼きビビンパ」。
5,000wでオナカいっぱい。
夕方からウォーカーヒルのカジノにブラりと出かけた。
飛行機代を稼ぎ出したものの、プレイを続けたので、
勝ち分はそのまま律儀にカジノにお返ししてしまった。
やはりカジノに長居は禁物だ。
カプチーノ片手に遊ばせてもらって、イーブンなら上出来、
と負け犬感満載の台詞を吐きながら、
日がとっぷりと落ちた時間、帰りのシャトルバスに乗り込んだ。
地下鉄駅までの無料シャトルは混んでいて、
戸惑っていると、突然、声をかけられた。
「となり、座りなさいよ」
丁寧なわかりやすい英語はアラブ系の紳士から発せられていた。
「ありがとうございます。ふう、寒いなあ」
11月下旬、日が落ちると冷え込みが急にやって来る。
腰を落とし、シャトルを待っている間に冷えた手をこすり合わせていると、
隣の紳士が話しかけてくる。
「韓国は寒いよね。君はどこの国の人?」
「日本からです、旅行者です」
小さなシャトルバスは通勤のホテル・スタッフで混んでいる。
「だと思った。英語にスグに反応したからね。
この国は英語があまり通じなくて苦労するよ」
「ですね。わたしも韓国語がわからないんで、苦労します。
どちらからいらしたんですか?」
ジャケットを羽織り、整った服装のアラブ系紳士に問いかけた。
「クウェートだよ、あっちの友達と一緒さ。
僕らはビジネスを終えて、これから帰るところだけどね」
「アラブ諸国はモロッコとエジプトしか行ったことがないので、
行ってみたいですよ。
モスクのきれいなモザイクを写真に撮りたいんです
離れた席にいた別のアラブ系の男性を指差す。
次に紳士はビジネスカード(名刺)を取り出し、一枚をこちらによこした。
「韓国は食事もいいし、過ごしやすいんだけど、寒さがね。
この寒いのを抜け出して、早くマレーシアの島で休暇と行きたいよ」
鉄鋼関連の仕事を手がけ、
そのビジネス・ミーティングのため、ソウルに来たらしい。
すでに日程を消化し、
この後、クアラルンプール経由のフライトで帰る、という。
もらった名刺に目を落としながら、こちらも名刺を差し出した。
「ほう、おもしろい仕事をしてますね。
もし来ることがあったら、連絡してください。いつでも案内しますよ。
これから空港じゃなかったら、もう少しきちんと話せたんですけどね」
「そうですね、わたしもそう思いました。
もし日本に来ることがあったら、気軽に声をかけてください。
元ツアーガイド(ツアコン)なので、案内はお手のものです」
社交辞令だろうが、渡した名刺がいつか蘇る時が来るかもしれない。
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袖触れ合うも他生の縁・・・いいですね(^m^)
by rtfk (2012-03-22 17:11)
ご訪問 & nice! 有難うございました。
旅には縁がないので記事が新鮮です。
by センニン (2012-03-22 20:24)
>rtfkさん
まさにそれです。
一期一会ですが、
本人はクェートに行く気マンマンです(笑
by delfin (2012-03-26 12:09)
>センニンさん
ご訪問ありがとうゴザイマス!
旅のネタしかないブログですが、ぜひまたお立ち寄りください!
by delfin (2012-03-26 12:12)