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Little Consideration @Bangkok [Thailand (Bangkok)]

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マーケットはバンコクであることを疑うぐらいのどかだった。

人が押し寄せる午前をとっくに過ぎていたこともあるが、
「川向こう」というロケーションが強く影響して、
都会の喧騒やアジアの混沌とは無縁の平穏さを見せていた。

この時間でもチラホラやってくる客はいるものの、
買い物に急ぐわけでもなく、
なにかに慌てる様子でもなく、
家族でノンビリ手をつなぎ、
水路沿いの店先を眺めながら歩いている。

ほとんどの店は片付けに忙しく、商売っけなしなので、牧歌的で静かだ。

お菓子にしろ、料理にしろ、店先で作っている店が多く、
隣の家のおかあさんがお店を出している、というような雰囲気も、
のどかな雰囲気に拍車をかけている。

こちらものんきにシャッターを切り、のんきに歩き廻っていたが、
小さなマーケットにはすぐに行き止まりがやってきてしまった。
水路を横切る橋を越えると、少し先は駐車場だった。

バンコク市内からクルマで来る人たちは、
チャオプラヤ川を大きく迂回して、ここに来ているようだ。
その駐車場もピークを越えているらしく、すでにガラガラになっている。

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なにか冷たいものでも買って、
水路の横で静かな時間でも味わうかな、と来た道を戻った。

店先で油のいい香りがただよい、小腹をくすぐられる。
中華ナベでなにかを揚げていて、
脇にはそれができあがるのを待っている家族連れがいた。

「ひとつもらえますか?」

そう声をかけると店のオバチャンが手元のボウルを確かめ、
待っていた家族連れのオカアサンと言葉を交わしている。
その言葉を待つように返事をくれた。

「一人分? それならダイジョウブよ」

さらにその返事に合わせるように別の客が後ろから注文の声を重ねた。
するとその客に店のオバハンが断りを入れている。

どうやら具材が切れたらしく、自分が最後の客になったようだ。

ひょっとすると店のオバチャンはまとめ買いをしていたオカアサンに頼んで、
こちらの分の一人前を都合してくれたのかもしれなかった。
あるいはこの人に先に渡すわね、と告げたのかもしれなかったし、
世界経済の行く末を語り合っていたのかもしれなかったが、
タイ語がわからない身としては勝手な想像を膨らますことしかできなかった。

「あれ? おれ、ラスト? こっぷんかあ」

自分を指差しながら、明るい声で礼を告げると二人が笑っている。
家族連れに「どこから来たの?」などと他愛のないことを聞かれている間に、
揚げ物ができあがってきた。

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「辛いソースかける? 辛いの食べられる?」

「まーぺんらい、まーぺんらい」

揚げたてのダンゴを手際よくつまむと袋に入れ、
その上から香草やスパイス、さまざまなソースを袋の中にふりかけた。
その袋をさらに小さなコンビニ袋に入れようとする。

「イラナイ、イラナイ。すぐ食べるからそのままチョウダイ」

ていねいに包もうとするのを断り、
金魚袋のまま、竹串を差してもらい、受け取った。

「熱いわよ、気をつけて」

「だいじょーぶ、だいじょーぶ」

オバチャンは「熱いから」と繰り返し、
ピンク色のナプキンを多めに添えてくれた。
それを受け取りながら、ダンゴを串に刺し、早速、頬張った。

ダンゴの正体は「魚のすり身」。
「白身魚のツミレ」でゴザイマス。
スパイシーなソースがツミレに絡まり、ホクホクしてピリピリしておいしい。

ただし揚げたてのダンゴはかなり熱かった。

「あちちちち」

「『熱いから』って言ったじゃなーい」

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オバチャンもオカアサンも笑っている。
「こういうものは熱いうちに食べないとおいしくないじゃん」と
タイ語で言えるはずもなく、
おかまいなしに次のツミレを頬張ると、続けて店先のみなに笑われた。

「魚のすり身揚げ」、30バーツ。


http://www.paknam.com/thai/bang-nam-pheung.html (バーン・ナムプン水上マーケット)

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