センゾのハナシ @Hapcheon [South Korea (陜川)]
午後になり、墓参りに出かけた。
正月の恒例行事で、友人の両親が墓参をするらしい。
それを聞き、運転手役の友人に一緒に行ってもいいか、と尋ねると、
アボジが来い来い、と快く声をかけてくれた。
クルマに乗って、近所の山へ。
農家でもある祖父の持ち山に墓はあった。
果実園の一角に唐突に土饅頭があり、
その前に墓標が立っている。
「安東權氏」とある。
カンタンに雑草を取り、花を添える。
拝礼の後、供物、清酒を辺りに撒き散らす。
日本のように墓前に供えるのでなく、
野山に返すのがこちら式らしい。
供養が終わると墓前でアボジが語りはじめた。
こちらが韓国語がわからないのも意にも介さず、
とくとくと語りだした。
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「ここは曽祖父、曾祖母の墓です」
合間に友人が訳を入れてくれる。
「安東權氏」は「安東地方に封じられた權氏」というわけなのだが、
込み入った歴史の話になると、
英語が得意でない彼にはすっかり苦痛になったようで、
メンドクサ~イ、という言葉とともに訳をやめてしまった。
そんなことはおかまいなしにアボジは語りかけてくる。
祖先がここに赴任した流れ、当時のこの辺りの状況、
子供の頃、自分がこの辺りでどうやって暮らしていたかなど、
わからなくなると、友人に訳してもらい、
漢字を書いてもらい、なんとか理解しながら、話しを聞いた。
もっとも90%は理解できていなかったと思うが、
一所懸命はアボジの話しに胸を打たれた。
ちなみに「一所懸命」は、
その昔、侍が自分の土地=一所を懸命に守ったところから生まれた四字漢語。
それが「いっしょうけんめい」と誤って発音されたものが常用化し、
「一生懸命」と誤認された言葉でもある。
この土地では自分の土地に墓所を作るのが通例らしい。
気がつくと隣の敷地のなかにも土饅頭があり、
花が添えられていた。
自分が育った土地、耕した土地に葬られるのはきっと幸せなことだろう。
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日が落ち、帰宅すると夕食の支度が整っていた。
おせち料理こそないが、
作り置きされたオカズが並ぶあたり、日本に似ている。
「食べたら親戚の家に遊びに行きますが、
一緒に行きますか?」
「昼間、伺った家?」
「いや、別のところです。オモニの姉の家です」
食後の腹ごなし、とばかりにシンとした夜道をみなで歩く。
夜はもちろん、昼でさえノイズがない農村が心を、
寒空の澄んだ空気が身体を浄化してくれるようで、
そぞろ歩きが心地よかった。
室内に招き入れられるとオンドルが効いていて、
外気で冷やされた身体に心地よかった。
特になにをするわけでもなく、
お茶やコーヒーを飲み、お菓子を食べ、
女性陣はおしゃべりに熱を入れていた。
男性陣はすぐにおしゃべりに飽き、
誰が言い出したかわからないが、
「スゴロク」が引っ張り出されてきた。
4つの木の棒を振るヤツで、
占いにも使われるやつだが、
スゴロクのルールはサッパリわからず、
言われたままにサイを振るだけだった。
「勝った人には賞金出すよ~」
アボジだか、姉のダンナだかがそういうと、
女性陣も群がってきて、ただの遊びは急に熱を帯びた。
う~ん、みんな賭けごと、好きなのね~。
そのうちにマッコリは出てくるわ、
ツマミは出てるくるわで、すっかりみんな盛り上がっている。
長い元日の夜が更ける。
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