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ムカシのハナシ @Hapcheon [South Korea (陜川)]

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クルマは15分ほどでおじいさん宅に到着した。

迎えに来てくれたのは友人の兄、
釜山で仕事をする彼も旧正月のために、
前日にクルマを飛ばしてハプチョンにやって来たらしい。

家の前には素朴な田畑が広がり、
それは長野か山梨の山間部を思わせるような情景だった。

「ごらんの通り、なにもないところでしょ?」

クルマを降りた友人がおどけて言う。

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「日本の田舎みたいだよ。風景がすごく似ている」

「う~ん、生憎、僕には日本の田舎がワカラナイデス」

トランクから荷物を降ろし、祖父の家に足を入れた。

彼の祖母、父、母、姉、そして小さな姪っ子がリビングでお出迎え。
顔を合わせ、アイサツを交わす。

「おじいさんへアイサツしなくては」と友人に告げる。

「チョット待ってクダサイ。
 先に僕だけバウしなくてはなりませんから」

とそそくさとおじいさんの部屋に進んでいった。
遠目に眺めていると、
口上を述べ、ヒザを屈し手をつく正式な挨拶を祖父にしている。
http://japanese.visitkorea.or.kr/jpn/TE/TE_JA_7_5.jsp?cid=940462 (挨拶方法)

「おれもやったほうがいいのか?」と思っていると、

「やあ、よく来ましたね」

いきなり日本語で声をかけられた。
そう、おじいさんは日本語が話せるのだ。

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「まま、こちらに座りなさい。
 あなたは挨拶はいいから、座りなさい」

オンドルで暖められた床に座るよう促された。

「この度はお招きいただいてありがとうございます」

「遠かったでしょう。楽にしなさいね。
 お茶でも飲みなさい」

「ありがとうございます」

カンタンなアイサツの後、
ドコに住んでいるとか、なんの仕事をしているとか、
自己紹介交じりに話しを交わす。
こちらが持参した日本のソバやお菓子を差し出すと、
それを皮切りに若い時、日本に勉強しに行った話や印象的な地名や料理の話など、
古き思い出が語られた。

「ナ、ナンのハナシですか?」

孫でもある友人は二人が話す横で、
父親と一緒に正月用の生栗の皮むきをしていた。
無言で皮むきしていた彼がボソっと口を開いたのだ。

「いや、おじいさんが日本でなにを勉強したかとか、
 どこの場所が思い出に残っているとか。
 昔のことなのに、記憶力がすごいね」

「実は家族みんな、
 ハラボジ(祖父)が日本語を話すところをはじめてみるんですよ。
 『日本語を話せる』とは聞いていたんですが、
 ハプチョンの田舎じゃ、日本語を話す機会なんかないので、
 誰も見たことがなかったんです」

「そうなの? すごいよ、カタコトじゃなくてちゃんとした日本語だよ」

「みたいですね。
 会話の感じでわかりました。内容は全然わからないけど。
 そうそう、ハラボジは92歳です」

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「え! 92? ホント?
 すごい記憶力だな。
 日本の地名とか料理とか、
 都心の駅名とか、スラスラ出てくるぜ」

「それよりも家族みんながハラボジの日本語に驚いてますよ」

奥のキッチンでは正月用の料理が次々に出来上がってきていた。


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