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食事の時間 @Seoul [South Korea (Seoul)]

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ボーリングの汗も乾かないまま、みなでホステルに戻った。

地下のボーリング場で闘っている間に、
とっぷり日は暮れ、夕飯時になっている。
夜番の仕事に就かなくてはならないスタッフがいたため、
ホステルでナニカ食べましょう、ということで戻ってきた。

「ナニ を タベマスカ?」

スタッフがたどたどしい日本語で聞いてくる。

「ちぢみ ヲ タベタイデス」

お返しにたどたどしい韓国語で答えた。

ソウルではほとんどの料理を出前・デリバリーすることができる。
ホテルだろうが、公園だろうが、路上だろうが、
チャジャンミョンだろうが、ピザだろうが、コーヒーだろうが、
電話で頼めば持ってきてくれるのだ。
日本のバラエティ番組でそれを検証しているのを観た人もいるかもしれない。

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「出前頼むの?」

「出前チヂミはオイシイジャナイので、買ってきます」

彼はヘンな日本語で返事をすると財布を握り締め、出かけていった。

出前でも有名なこの国だが、
同じようにホトンドのお店でテイクアウトができる。
一人ゴハンだろうが、家呑みだろうが、買い食いだろうが、
食堂だろうが、屋台だろうが、カフェだろうが、
持ち帰りの段取りは手際よく、いとも容易く受けてくれる。

店によっては持ち帰り用の窓口が別にあったりするところが、
なんとも合理的でオモシロイ。

宿の受付に中華系の女性が下りてきた。

「すみません、この近くでご飯を食べられるところ、知りませんか?」

「知ってますけど? でもわたしスタッフじゃないんです」

「あ、ごめんなさい。てっきりスタッフの方かと」

自分たちが戻ってきたのと同じタイミングでチェックインした女性だった。
こちらが当たり前のようにスタッフと交わっていたので、そう思っても仕方がない。
しかもタイミング悪く、夜番の彼は宿に必要なものを買いにコンビニへ、
昼番の彼はチヂミの買い付けに席をはずしていた。

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「いえ、あなたと同じ宿泊客です。
 まあ、それはいいんですが、なにが食べたいんですか?
 わかる範囲ならお教えしますよ」

「ご飯がいいかと。
 着いたばかりで白いご飯が食べたいな、と思ってます。
 辛いものが苦手なので、辛くないものがいいんですが」

つたない英語で話す彼女は台湾から来たお客さん。
フライトで疲れたせいか、ご飯が食べたいらしい。
この辺りもアジア人ならではの言葉だ。

「じゃあ、『キンパプ(海苔巻き)』とかかなあ。
 あ、でも白いご飯のほうがいいのかな?」

「そうですね、普通のご飯がイイデスネ。ありますか?」

「大通りに24時間営業の食堂があるんです。
 そこの『トゥッペギ・プルコギ』はおいしいですよ、【好吃】(ハオツィー)です。
 ところでプルコギわかります?」」

「ワカラナイデス。でもハオツィー(美味しい)なら、それにしてみます」

「韓国語、わからないんですよね?」

「ワカラナイデス」

韓国語がわからないとなると、英語で店の場所を教えても、
店でオーダー自体ができるかもアヤしかった。
現にメニューを読めなくて苦労している自分がここにいる。
ヘタをすると彼女の夕食はハンバーガーになるかもしれない。

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「う~ん、じゃあ・・・   連れて行きますよ!」

歩いて3分ほどの店に案内し、
店先の写真で説明すると安心したのか、さっきのヤツでいい、と頷いている。
案の定、料理の名前は覚えていないのね。

「おばちゃん、『トゥッペギ・プルコギ』ハナ(1つ)ヨ~」

オーダーを入れたので、
あとは白いご飯を味わってください、と告げ、店を後にした。
一緒に食事すれば、ロマンスのひとつも生まれたかもしれない。

だが宿ではチヂミとスタッフが待っているのだ。


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フリーマン

韓国料理美味しいけど、現地の人と食べるともっと美味しいんでしょうね。
うらやましいです~。
by フリーマン (2011-04-27 22:32) 

delfin

>フリーマンさん

現地の人、といっても仲の良いスタッフなので、
いつもオトコメシです(笑

とはいえ、やはり地元の人がいると、融通が利きますね~
同じ料理でもおいしい食べ方や変わった食べ方知ってますしね~
by delfin (2011-04-27 23:51) 

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