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Soulful Kitchen @Bangkok [Thailand (Bangkok)]

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気になったものは試してみるに限る。

列を成すおっさんの後ろに続く。
おっさんの注文が終わると、オバチャンの目線がこちらを向いた。
指を一本立て、一人前、と無言で知らせると、
オバチャンは表情も変えずに寸胴の中をかき混ぜる。

何十年も繰り返しているであろう慣れた手つきで、
ゴハンの上に豚煮込みを乗せると、
手際よく脂を避けた鍋の汁を掬る。

IMG_6817.jpg【期間限定】今だけ半額以下!食べてみてびっくり!あの豚肉料理が

寸胴鍋の中を見る限り、
日本人の衛生観念からすると赤信号が点りそうだが、
汁の色に染まった白ご飯と脂の光沢がこちらの食欲を大いに刺激する。
豚肉煮込みのせご飯、40バーツ(≒¥120)。(後ほど調べ、料理名は「カオ・カー・ムー」だた)

「ねえ、写真撮っていいかな?」

出来上がった皿を差し出すオバチャンに思い切って頼んでみる。

「先に食べちゃいなさいよお」

皿を突き出しながらそういっているのだろう。
言葉はわからなかったが、素振りがそう語っていた。

「じゃあ、食べたら撮らしてね」

そう告げて、皿に立ち向かうことにした。

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豚肉とうずら豆の煮込みが手軽に

見た目こそキレイではないが、味は上々だった。
予想を裏切らず脂っこくはあるが、香辛料が食欲を後押しする。
似た料理を食べたことがある、と記憶を手繰ると、
ソウルの裏通りやポルトの裏町が思い返された。
トンソクや煮込みはどこの国でも普通にあり、
ブログでもたびたび紹介している。

日本でも振り返ってみると、
トンコツラーメンはもはや当たり前だし、
沖縄料理にも豚の煮込み料理は多い。

ああ、なんとブタさんの偉大なことよ。
あらゆる国において、ソウル・フードたり得るのか。

ああ、なんとイスラム教の悲しいことよ。
この喜びを知らないなんて。
あるいは知らせないために禁忌としているのか。

ルンピニの熱気にあてられたのか、崇高な思いを募らせながら豚肉を頬ばった。

脂っこくなった指先を拭きながら、
「アローイ、アローイ・カ~(うまかった、うまかった)」
と告げ、カメラを向けると、
アンタワスレテナカッタノネ、とばかりにオバチャンが笑っていた。

「この人がね、ここの味を作り出しているの。
 全部手作りだからね~」

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隣にいた赤シャツのオバチャンが、
ボス・キャラのオバチャンを指差しながら、まくし立てる。
タイ語だが、拙い英語とジェスチャーを交えているので、
それらしく伝わってくる。

きっと彼女がここのソウル・フードの味を守り続けているのだろう。




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