Carefree Dish @Bangkok [Thailand (Bangkok)]
残り4日、空はこの時季らしい重たい表情をしていた。
10月5日、雨季なので気温はさほど上がらず、涼しい。
といっても熱帯地域のそれなので、
日本の「涼しい」とは質が違う。
昨夜は夕食がさっぱりモードだったので、
帰り道、ホテル前の屋台でレバー焼きを買って戻った。
寝転がって食べていたところ、
3本買った最後のヤツで力尽きたらしい。
朝起きると食べかけが串に刺さったまま、枕元に転がっていた。
ヘタに寝返りを打って、自分が串刺しになっていたら、
今朝、ホテルの前の屋台で売られていたかもしれない。
夕食はどこかのビルの地下にあるフードコートで済ませた。
東南アジアというと屋外や広場の飯屋が眼に浮かぶが、
実はオフィス・ビルやショッピング・ビルの地下にもたくさんある。
フードコート形式の営業スタイルが主流で、
場所によってはエアコンが入っているし、
清潔度は屋外のそれとは比べものにならない。
知らない街でもビルの地下に潜り込んでみると、
地元の人が愛用する食事場所を探し当てることができますぜ。
野菜が不足している気がしたので、
野菜やら青菜炒めを乗せた「ブッカケご飯」が頭にあったのだが、
遅い時間のせいか、フードコートのオカズ屋さんは「半閉店状態」で、
残り物のオカズだけが店先に並んでいた。
肉ばかりが残っていて、こちらの要望は叶えられない。
おまけにそのフードコートにはオカズ屋さんがそこしかなく、
降って湧いた「ベジタリアン的健康志向」は一瞬で萎んでしまった。
あきらめ顔で他の店を物色していると不思議な食べ物をみかけた。
蒸篭で蒸されたご飯の上に、具を乗せて食べるらしく、
店先の写真には冷やし中華のように色鮮やかなご飯が写っていた。
その写真を覗き込んでいると、
割烹着姿のオジサンが、喰っていけとばかりに無愛想にアゴで促した。
他のフードコートを探して歩く気力も体力もなかったので、
オジサンのアゴに合わせ、こちらもアゴで頷いて見せると、
無愛想だったオジサンがニヤリ、と笑った。
一瞬、ヤラれたかな、と思ったのだが、
オーダーしてしまったものは仕方ない。
言われたまま、35バーツを支払うと、
オジサンは店先に並んだ野菜を指し示し、
「好きなものを選べ」と促した。
てっきり出来合いで出てくるのかと思っていたので、意表を突かれた。
「健康志向」を再燃させ、野菜中心で選んでいると、
肉や魚はいいのか、とそちらを指し示す。
お金はもう払っているので、かなり自由に具を選べる様子だ。
とはいえ、肉っ気はあまりなく、
たんぱく質系統は錦糸玉子やジャコ、すり身類が受け持っていた。、
野菜に偏っていた彩りのバランスを玉子などで整えると、
なぜかオジサンは満足そうにしている。
こちらの盛り付けセンス、バランス感覚を審査されているようで、
なんとも気恥ずかしい。
選んだ具の乗った皿を蒸篭で一旦、蒸している。
別の蒸篭で蒸されているご飯は2種類あり、
白ご飯とピンク色のご飯があった。
薄味の赤飯にも見えるピンク色を選ぶと、
大皿に持ったそのご飯の上に軽く暖めた具を盛り付け、渡してくれた。
「冷やし中華風彩り盛り合わせ蒸篭ご飯」の本名もわからない。
調味料をかけるのか、マゼコゼにするのか、食べ方もわからない。
他の人を盗み見ようにもフードコートには客が少なかった。
きっぱり自己流でそのまま大皿に取り組んだ。
ピンク色の正体はエビ。
サクラエビで炊き込んだようなエビのほのかな香りがついている。
「わからないづくし」だったが、
味は日本風にさっぱりして食べやすく、アタリの一品だった。
店に目線を送り、閉店作業をしていたオジサンに親指を立てて、合図した。
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