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吼えろ!辛さに @Bangkok [Thailand (Bangkok)]

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汗を流し、体勢を立て直して、通りへ出た。

見慣れた通り、馴染みのエリアというのは、
ものすごく安心感がある。
半年ほど前に数日滞在しただけだが、
気持ち的には住民票を置いているかのごとくだ。

前のホテルからの移動距離は思ったよりも近かった。
カタカナの「コ」の字を下からなぞるように歩くと、
すぐに見覚えのある通りにたどり着いた。

ホテルの南側に当たる通りには、
スーパーやレストランが軒を連ねている。
角を曲がると、記憶にある風景と重なり、
結局、30分かからずにたどり着くことができた。

いくら荷物が軽いといっても、
タイの7月に表を歩けば、5分で汗まみれだ。
エクササイズでもこなしたかのように汗を滴らせ、
ロビーを水浸しにして、チェックインを済ませると、
ドアを開けるか否かで、シャワーに飛び込んだ。

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ホテルは1月に来たときと少し雰囲気が変わっていた。

家族経営のようにノンビリしていたはずのスタッフが、
揃いのハデなポロシャツ姿に変わって、キビキビ動いている。
ウェルカム・ドリンクまでが供せられて、
経営者かマネージャーでも変わったのだろうか。
とはいえ、大きく変わったのはハデなポロシャツだけのようだ。

公園に沿ったホテル前の細い路地を歩く。

前回発掘したウマイ「牛肉麺」を食いに行こう、と企んでいた。
この店です↓
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2010-03-29

が。

閉まっている。
今日はただの木曜日なのに。
ランチタイムに閉まっている、ってなに?

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麺屋との通りの角に屋台が出ていた。
1月に来たときもいた店だが、食べる機会はないまま。
「牛肉麺」を昼飯にし損ねたので、そこでのランチを決めた。

タイ米に肉そぼろとタケノコの炒め物をかけてもらう。
「ぶっかけご飯」、25B。

路肩のイスに腰掛け、食べてはじめると、
タクシー・ドライバーやガードマンが手際よく頼んでは、
さっくりと食べて、小気味よく立ち去っていく。
主婦だろうか、数人前のオカズを包んでもらっては帰っていく。
次から次にひっきりなしに客が来る屋台だ。

客と店のオバチャンとのやり取りをおもしろく眺めながら、
タケノコの炒め物を頬張る。
辛くないであろう色合いを選んで頼んだやつだったが、
こいつが猛烈に辛かった。

「かれ~」

思わず日本語で口に出すと、みながいっせいにこちらを見る。
辛さには強いはずだったのだが、
このタケノコは度を越していた。
青椒肉絲(チンジャオロース)の亜流じゃないのね。

「X+*@!」

派手な蛍光服を着たガードマンのオッチャンが、
なにか言いながら、立ち上がる。
タンクからカップに水を汲むと、こちらに差し出してくれた。

「ああ~、こっぷんかあ(アリガトウ)」

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水を口にしながら、礼をいうとオッチャンは笑っていた。
店のオバチャンも笑っている。
こちらの皿を指差し、
「辛いならご飯足そうか?」と言っているらしい。
言葉はわからなくても素振りで通じていた。

辛さで再び咳き込みそうなるのをこらえながら、
「あろ~い!(オイシイ)、ろ~んな(でもカライな)」と告げると、みなが笑う。

まったく、日常生活にしょうがない日本人が紛れ込んだものだ。


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