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スポーツと文化 @Seoul [South Korea (Seoul)]

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ひょっとしたら勝利するかもしれない、と思っていたのだろう。

初戦のギリシャ戦はあまりに出来がよすぎて、
ヨーロッパだろうが、南米のチームだろうが、
我らの赤いユニフォームはすべてをひと息に屠ってしまう、
そんなムードが漂っていた。

例えそれが優勝候補のアルゼンチンであったとしても、
勝利の可能性はそれほど低いものじゃないと誰もが思っていた。

しかし人々の心に赤く燃えたぎっていた松明に、
2つのゴール、という冷たい水が浴びせられてしまっていた。

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試合中の画像はこちらに多数掲載してあります↓
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18
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アルゼンチンの2ゴールで、
大きなため息を招いたが、非難や失望の声は上がらなかった。
市庁広場に集った人たちは、
勝利、という名の夢から覚め、現実にチームを支えはじめた。

2点差、という致命的な状況だったが、
応援の声は前にも増して熱くなっていた。

誰も帰ろうとはしない。

若者は声をからして叫び、
女のコはエア・バットを振り、
警官も大型ディスプレイから目を離すことはなく、
子供たちはこの空間を楽しんでいた。

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パブリック・ビューというより、みんなで一緒にテレビを観ている、
そんな感じだ。

バカげたぐらい大きな「家族」、大きな「リビング」なのだ。

この場にいる子供たちは、
「いつか自分も選手になって、こんな風に応援されたい」と思うだろう。
「画面の向こう側に立ちたい」と。

選手にならなくても、町のどこかでプレイし、
学校で語り合い、スポーツが好きな子に育ち、
社会に出たら企業でサポートする側に立つかもしれない。

企業が損得で金を出し、人が集まるとなると金を取る、
どこかの国のスポーツ事情とはまるで違う光景だ。
そう思うのは、穿った見かただろうか。

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反撃の一点が入る。
その瞬間を見損ねた人に見知らぬ誰かが「XXだよ」なんて伝えている。
知らない同士で手を叩き、喜び、肩を抱き合う。

この熱い「リビング」には確実に「文化」がある。


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コメント 4

ばうわう

私はバレーをやっていたのでよく世界バレーを見るんですが
そこでも「テーハミンゴ!チャチャッチャ・チャッ・チャッ!」
の勢いと団結力と熱は凄いものがありますね~!

日本に失われつつある愛国心がやっぱりこの国には熱く残っていますね♪
by ばうわう (2010-09-19 00:38) 

opas10

ホント、何でも儲けのネタにするどこかの国とは大違いです。そのおかしな国も昔は街頭テレビっていうよい文化があったのに・・・・。
by opas10 (2010-09-19 10:41) 

delfin

>ばうわうさん

コメントありがとうございます。

「愛国心」もそうなんですが、「みんなで楽しもう」って感じがものすごい強かったですね。
後日、執筆しますが、別の場所でも盛り上がっていたし。

ここでも攻勢になると「テーハ♪ミン♪グック♪」(大韓民国)でした。
生で聞くとかなりシビれますね、アレ。
by delfin (2010-09-19 12:57) 

delfin

>opas10さん

いつもコメントありがとうございます!

「パブリック」なのにお金取るのはこの国だけでしょうね(笑
公園や駐車場、テニスコートも「パブリック」なのに。

街頭テレビは実体験がないですが(笑
なんとなく、このイベントはそのイメージでした。
「みんなでひとつの番組を楽しんでいる」って感じです。
by delfin (2010-09-19 12:59) 

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