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灰色の嵐 @Bangkok -完- [Thailand (Bangkok)]

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朝、暗いうちにタクシーを駆って、空港へ。

ユナイテッドは6:30の出発。
安いチケットだから致しかたないか。

シンドイ早朝発もラウンジでくつろげるので、
精神的にアドバンテージ。
自動チェックイン機でボーディング・パスを取り出し、
出国を軽く済ませ、ターミナルのラウンジへ進んだ。

バンコクの空港ではプライオリティ・パスなら、
「CIPファーストクラス・ラウンジ」が利用可能。
もちろん無料で朝食ばかりか、アルコールも豊富でございます。

プライオリティ・パスの詳細はコチラ↓
http://blog.so-net.ne.jp/delfin/2010-03-17
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機内ではユナイテッドの「プレミア・メンバー」なので、
格安チケットながら「プレミアム・エコノミー」が割り当てられます。
わずかながら座席幅が広いので、混んでいても快適。

アジアから日本へ向かうアメリカ系の航空会社は、
日本でワンバウンドして、アメリカ各地へ向かうので、
機内はアメリカ人で混んでます。

満席のシートは体格のいい方々で埋め尽くされているわけですね。

後方のエコノミー席で運悪く真ん中にでも座って、
運悪くアメリカ人に両サイドを挟まれでもしたら、
成田に着く前に確実に窒息します。
あるいは圧迫矯正されて、姿勢がよくなっているかもしれない。

飛び立つ前から眠ってしまっていた。

ふと気づくとまだ動き出していない。
しばらくして機長のアナウンスが入った。
「トビラ部分に亀裂があり、直すのに時間がかかる」とのこと。

「う~ん、しっかり直してくれ」としかいいようがない。
たぶん機長も空中分解するような状態にはなりたくないだろうし、
そうならないように努力してくれるでしょう。

早朝便のせいだろうか、乗客もおとなしい。
ブーイングも出ないし、文句をいう客もいない。
きっとみんな眠たいのだ。
アメリカ人が苦情をいわないなんてそんなことがあるものか。
きっとみんな寝ているにちがいない。

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席にくくりつけられてしまった身ではなにもできないので、
また目蓋を閉じた。

「自分でなんとかできることは懸命に考えろ。
 自分でなんとかできないなら考えるだけムダだ」

くだらない言葉かもしれないが、
これがけっこう人生の規範になっている。
これこそ、スペンサーの教え。

トラブルが多いツアー・コンダクター時代、この言葉は助けになった。

トラブルに際して、なにもできなくても額に汗して走り回っているほうが、
仕事をしているみたいで、お客さんウケはよかったのかもしれない。
それはせずに腹を据えて、お客さんと話し込んでいることを選んでいた。
たぶん「いい添乗員さん」ではなかったんだろうな。

それでも数日を経たツアーの終わりには、
「なにもしてないようでも最後にはなんとかしてしまう人」とよくいわれた。
結局、「働いているフリ」ができないヤツだったので、
サービス業には向いていなかっただけだろう。

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一人旅で歩くときもこの軌範はけっこう役に立っている。
いや、人生においても。

ただもう、教えてもらうことはできなくなってしまった。
Thank you Mr. Parker,
and Goodbye Mr Spenser.

文庫本を閉じて、またおとなしく眠りに着いた。



バンコク&メークロン&ハジャイ・タイ紀行 

―完―

********************

2010年1月に渡航した「タイ紀行」ブログは、
滞在中に訃報を聞いたロバート・B・パーカー氏に捧げ、
「スペンサー・シリーズ」のタイトルで記しました。
ブログ内容とタイトルがそぐわない部分もありますが、
追悼、の意図を汲み取ってやって下さい。

Robert Brown Parker http://www.robertbparker.net/index.htm
The Spenser Series >

ゴッドウルフの行方(The Godwulf Manuscript, 1973)
誘拐(God Save the Child, 1974)
失投(Mortal Stakes, 1975)
約束の地(Promised Land, 1976)
ユダの山羊(The Judas Goat, 1978)
レイチェル・ウォレスを捜せ(Looking for Rachel Wallace, 1980)
初秋(Early Autumn, 1980)
残酷な土地(A Savage Place, 1981)
儀式(Ceremony, 1982)
拡がる環(The Widening Gyre, 1983)
告別(Valediction, 1984)
キャッツキルの鷲(A Catskill Eagle, 1985)
海馬を馴らす(Taming a Sea Horse, 1986)
蒼ざめた王たち(Pale Kings and Princes, 1987)
真紅の歓び(Crimson Joy, 1988)
プレイメイツ(Playmates, 1989)
スターダスト(Stardust, 1990)
晩秋(Pastime, 1991)
ダブル・デュースの対決(Double Deuce, 1992)
ペイパー・ドール(Paper Doll, 1993)
歩く影(Walking Shadow, 1994)
虚空(Thin Air, 1995)
チャンス(Chance, 1996)
悪党(Small Vices, 1997)
突然の災禍(Sudden Mischief, 1998)
沈黙(Hush Money, 1999)
ハガーマガーを守れ(Hugger Mugger, 2000)
ポットショットの銃弾(Potshot, 2001)
笑う未亡人(Widow's Walk, 2002)
真相(Back Story, 2003)
背信(Bad Business, 2004)
冷たい銃声(Cold Service, 2005)
スクール・デイズ(School Days, 2005)
ドリームガール(Hundred-Dollar Baby, 2006)
昔日(Now and Then, 2007)
灰色の嵐(Rough Weather, 2008)
プロフェッショナル(The Professional, 2009)

以上


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コメント 4

momotty

ツアーコンダクターで
海外を飛び回っていたんですね。
うらやましいです!
アタシは飛行機苦手だから
delfinさん、尊敬してます!
by momotty (2010-05-19 18:26) 

delfin

>momottyさん

ツアコンは懐かしいハナシです(笑

飛行機ニガテですかあ、
わたしは最良の「読書空間」って思ってます。
座っているだけでコーヒー持ってきてくれるし(笑
by delfin (2010-05-20 20:40) 

opas10

>結局、「働いているフリ」ができないヤツだったので、
>サービス業には向いていなかっただけだろう。

客の立場としては、汗はかいているようだけど結局最後は言い訳で終わるツアコンよりも、ドッシリと構えて最後になんとかしてくれるツアコンの方が全然頼りがいありますから。
by opas10 (2010-05-22 11:44) 

delfin

>opas10さん

状況がわかってないのに、バタバタ動き回るのがイヤだったのです。
よく現地スタッフやホテルマンを怒鳴りつけている添乗員がいたなあ、と思い出しました。
怒鳴ってトラブル解決するわけじゃないのに。
完全に「お客さん向け」ですね=
by delfin (2010-05-22 13:07) 

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