旅行的結束 @Shenzhen -完- [China]
ビルの中は小さな店がひしめきあっていた。
滑稽な民芸品の店がやたらと多いのは、
エキセントリックさにシビれて買っていく西洋人が多いのだろう。
その間をオモチャや化粧品の店が埋めている。
フロアを変えると貴金属や時計がキラキラと光を発していた。
携帯電話やデジカメを扱う店はどこもにぎわっていて、
価格からするとホンモノではないであろう品物を間に、
観光客が電卓片手に格闘している。
日本人とわかった途端、客引きの攻勢がモノスゴイ。
「ニセモノ、ニセモノ」
「えろびでお、えろびでお」
カタコトの日本語で売り込みに必死だ。
すぐに動きを止めてしまうニセモノには興味はなかったが、
市場調査がてら、売り子に値段交渉。
軽く3倍はフッかけてくるようだ。
それだけの高値でも購入する日本人が多いのだろう。
言い値の30%まで落ちたところで店員に別れを告げると、
狭い間口の向こうから、さらに刻んだ価格を叫ぶ声が聞こえた。
「おいおい、さっきがファイナル・プライスじゃないのかよ」
どうやら底値はまだまだ先にありそうだ。
うちのチームの面々はというと、
家で待つ子供や家族のためにオモチャやスカーフを買い求めていた。
旅馴れた面々だけに店員を困らせることには長けていて、
特に買うものなく、手持ち無沙汰で眺めていた身としては、
あまりに苛烈な攻勢に笑い出しそうになってしまい、
慌てて、距離をとった。
散々、店員をイジメたあと、戦利品を抱え、地下鉄でホテルに戻った。
行きには気づかなかったのだが、
車内のディスプレイではやたらと啓蒙的な告知を流していた。
「食べ物や飲み物を持ち込まない」とか、
「お年寄りに席を譲りましょう」とか、
「床に座らないように」とか、
乗り方を知らない人たちに諭すかのような内容ばかりだった。
中国ではまだ地下鉄時代が珍しい存在なのだ。
日本にもこういう時代があったのかなあ、と思いながら、
コマ送りされるモニターを眺めていた。
残念ながら「駅構内で撮影するのはやめましょう」とはいってくれなかった。
ホテルに戻り、預けてあった荷物を受け取り、
アレンジしてもらったバンに迎えに来てもらい、空港へ向かう。
こうして一週間ちょっとの中国の旅は終わりを告げた。
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