第十六夜 -食事- @Ha Long Bay [Vietnam]
この旅も終わりの日が近づいてきていた。
昨夜、ハーフデイ・ツアーから帰ってきた21時過ぎに、
軽く食べるものを買いに出たついでにダメモトでホアンキム湖に近いシン・カフェに足を伸ばしてみた。
運良く、店は開いており、頼んでいたチケットは無事に手元にやって来た。
これで明日の午後にはベトナムを離れ、バンコクへ戻ることが確定。
そのあとは日本へ帰るだけだ。
ベトナムを離れるチケットを手にしたせいか、残り時間を貪るように朝からひたすら歩いた。
ハノイは大きな街にもかかわらず、市場をいくつも抱えている。
先日訪れたもっとも大きなドンスアン市場、
生鮮食料品が中心のハンザ市場、
たくさんの布や生地を扱うホム市場、
生花を扱うトゥリエン市場もあれば、
朝だけ現われる市場やバイク専門の市場まである。
ビジネス街からさほど遠くない場所にも市場があるアンバランスさ、
都市ながら生活の臭いを感じやすい街だ。
特に買いたいものも土産物を買う気もなかったが、
生活の香りがする市場、地元の人々の表情が見える市場を眺め、歩いた。
ハンザ市場からほど近い場所の屋台で朝・昼兼用の食事をとることにした。
ランチ・タイムには早い時間で、仕込みもまだ途中のようだったが、
座っていいかと尋ねると、快く奥のベンチを指差してくれた。
ハノイの蒸し暑さと歩いてきた熱で、座るとドッと汗が噴き出し、
たまりかねて汗を拭っていると、黙ってお茶を出してくれた。
繰り返しバンダナで汗を拭っていると、店のみんなが笑っていた。
冷たいお茶で涼をとり、店を眺めながら、汗が引くのを待った。
どうやらお金を管理しているボスが母親?
指示を出し、口やかましく仕切っているのが長女?
ハナ唄を口ずさみながら手伝っている末っ子にチョッカイを出して、サボっているのは次女?
テーブルやイスを拭いて回っているのは、親戚のオバチャンだろうか?
行き止まりの路地で上手に店舗展開しているその屋台は、女性ばかりが働く店。
どうやらその店の今日一番の客になってしまったようだ。
汗がおさまり、注文に立ち上がると店先のオカズの種類がとても多いことに気付いた。
見ているとアレもコレもといいたくなるような豊富なバリエーションだ。
「もう料理、選んでもいいかな?」
母親がニコリと笑った。
「ごはん、大盛りにしてもらえる?」
またニコリと笑った母親は英語がダメなご様子。
長女が助け舟を出し、手際よく、ごはんを増やすとオカズをその上にかけた。
「2品だけでいいの?カレーはかける?」
「いや、それでいい。野菜が食べたいんだ」
2品選んで、15,000ドン。(US$1)
シンガポール時代にも親しんだアジア定番の「ブッカケごはん」だ。
皿を持って席に戻ると、小さい末っ子がお茶を注いでくれた。
この何気なく選んだオカズが絶品で、甘すぎたり、味がしない料理が多い中、塩加減が絶妙だった。
おもわずオカワリしようかと思ったが、すでにごはんを大盛りにしていたことに気づいてやめた。
屋台を切り盛りする母親の「オフクロの味」なのかな?
食べ終わるころには、次から次にビジネスマンが列をなして、
オカズを選んでは持ち帰りの弁当に詰めてもらっていた。
今夜また食べに来てみよう、食べ終わるとそう思っていた。
単純に味だけでなく、さりげなくお茶を出してくれるような心遣いに打たれたせいかもしれない。
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食べた後に気分が良くなるお店はnice!いっぱいです!
by pi-ro (2009-01-10 09:55)
庶民的なお店ですね。
by yakko (2009-01-10 13:06)
心配りがあって美味しくて...
素敵なお店ですね。
旅先で触れる人の心のあたたかさ...
それがあるから出かけちゃうのかも♪
by sak (2009-01-10 23:43)
みなさんへ
コメントありがとうございます!
アジアはぞんざいな店が多いのですが、
(悪い意味でなく)
ここはホント、こころづがいのある店でした。
路傍の屋台に近い店でしたが、いい感じでした!
by delfin (2009-01-12 20:10)