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第十四夜 -価格- @Hanoi [Vietnam]

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夕食と飲み物を買い込み、宿に戻ることにした。

途中、ミネラル・ウォーターを買い忘れたことに気づき、小さな店に立ち寄った。
実はハノイに来てからやっかいなことにぶちあたっている。
ミネラル・ウォーターの値段が店によってバラバラなのだ。

メンドウなことに店先に並んだボトルには値段が張られていない。
「いくら?」と聞いてみるまでわからないのだ。
大きなボトルだと¥50~150、たいした金額差じゃないのだが、同じ値段で2本買えるのはちょっとシャクだ。

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午後の散策で大体の相場をつかんだので、慣れてはきていた。
どうやら観光客にフっかけようとか、高い値段で売りつけようというわけでなくて、
ただ単に店によって、仕入れ値が違い、売値も変わっているようなのだ。
さらに冷蔵庫で冷やされているものは昔懐かし「冷やし賃」を取る店があったり、
(かつて日本でもビンのジュースなどに冷やし賃¥5取る酒屋などがあった)
ミネラル・ウォーターの銘柄によって、1,000~2,000ドンの価格差があったり、と
ややこしさとメンドくささが割増になっているのだ。

店でもそのあたりを把握してないのか、
「いくら?」とベトナム語で尋ねると店のおばちゃんは奥にいるダンナに「これいくらだっけ?」なんて尋ねてたりする。
この場合、ダンナはこちらの顔を見ていないので、わざわざ外国人価格にすると思えない。

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水の問題とは別だが、宿や街角ですれ違った日本人バックパッカーや観光客は、
ヴェトナムに存在する「外国人価格」を異常に気にしていた。
まるで自分たちだけがダマされているかのような価格設定に怒り、
ボラレない自衛策を意気揚々と話し合っている旅行者もいた。

かつては外貨獲得のための「二重価格」が歴然と存在したかもしれないが、
この旅では最後までそんなシーンには出会うことはなかった。
ここに記しているとおり、ふっかけられることはあったが、ボラレたことはないのだ。
ホテルや安宿にも二重価格はないし、二重構造がまかり通る社会主義国にしては誠実な印象だ。

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ベトナムに限らず、「旅行者」はふっかけられたり、ボラレたりする運命にある。
いくら節約して旅しているとはいえ、『旅行する余裕』があるのだから。
地元から離れることができない人々から見れば、
「航空券」を買い、たとえ安宿とはいえ「ホテル」に泊まり歩く旅行者は「ゆとり」があるのだ。

だまされるのは気に障るが、ピリピリと神経を逆立て、歩くのもどうだろう?
がんばって$1をケチって、あるいは$1を値切って、楽しい旅があるのだろうか。

「取った取られた」を気にして旅している日本人旅行者がとても多いことに気づく。
「日本人は甘い」と思われたくなくて、肩イカらせて歩くのはわかる。
長い日々を生き抜くため、手持ちのお金を節約することは大事だが、心根まで節約してしまうのはどうだろう。
節約旅行をしながら、いつもそう考えながら歩いている。

ダマされたなら、それも旅。
ボラレたなら、それも旅。
わずかな金額を失ったなら、「旅先の笑い話」を買ったと思えばいい。
人生が変わるような金額じゃないのだから。

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かつては有名だったベトナムの「外国人価格」よりも気になっていることがあった。
ベトナムを歩きはじめてから、ずっとひっかかっているのだ。
この国の首都、ハノイでそれは解決するのだろうか。

帰りのフライトが決まったせいか、あるいは単に夜行バスのせいか、
ミネラル・ウォーターを買うために数軒尋ね歩いたせいだろうか、
宿に戻ると疲労感がドッと押し寄せた。


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コメント 4

no-tenki

明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
本年が幸多き年となりますようお祈り申し上げます。
by no-tenki (2009-01-01 06:32) 

斗夢

明けましておめでとうございます。
ぼられたと思うとプライドが許さないのでしょうか^^。
物価高騰の折、日常の買い物で
高いなと思えば買いませんが、
これは値段が明示されているからですね。
本年もよろしくお願いいたします。
by 斗夢 (2009-01-01 06:47) 

せっつん

私も考えて見れば根底にぼられるという疑いの心が常にあります (実際そんなこともありますが…)でも楽しくないので気持ちの持ち方も変えないとなあと思いました
by せっつん (2012-11-05 09:12) 

delfin

>せっつんさん

仕方がないですよ。
「日本人はお金持ち」なのですから。
どんなに貧乏旅行でも「旅行する余裕」があるのですからね。

知らない国で肩いからせて歩くことも多少は必要かと。。。
by delfin (2012-11-06 18:41) 

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