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第十四夜 -確定- @Hanoi [Vietnam]

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夜行バスで疲れたカラダを安宿のベッドに横たえた。

仮眠とシャワーでどうにか原状回復、熱いお湯が出るシャワーはありがたい。
安宿でも部屋にシャワーがあると、寝起きや出かけて帰ってきた後など浴びる頻度も増し、
リフレッシュも使いやすいのがうれしい。

ニギヤカな「首都」を散策。
まずは数日過ごすことになる宿の近隣を探索した。

安宿街の近くは、どうやら問屋街が連なっているらしく、オモチャの問屋が続いた後は反物、そのあとはお菓子、
乾物屋に漢方と、通りごとに似たような問屋が軒を連ねていた。
通りを折れるごと、路地を巡るごとに問屋の表情が変わって現れた。

地元の人が集うであろう食堂街もあった。
宿から足を伸ばせる距離にグルメ・スポット発見。
そこを抜けると、大きな市場にぶち当たった。

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フラリと宿を出たので、地図も持たず、北に向かって歩いていたのだが、出会った市場には「ドンスアン」と記されていた。
あとで地図と照らし合わせるとこの市場はハノイ中心街でもっとも大きく、このあたりが旧市街のはずれでもあった。

市場の周りはさすがににぎやかで、路肩に店を広げる人、バイクを店にしている人、天秤棒で売り歩く人などが
少しのスペースを見つけてはマメに商売を展開していた。
路上はもはやクルマの通り道として機能していない。
通りを行く人も慣れたもので、鳴り続けるクラクションを気にもとめず、
運転手に怒鳴られるとようやく歩みを止め、道をあけるようなありさまだ。

これまで眺めてきた片田舎の市場と違い、人の数が多い。
歩くのも厄介で、写真を撮るにも気を使う。
人の多さに閉口すると同時に、触手もあまり動かず、早々に市場を離れた。

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早朝歩いた街の中心へ向かう。

旅行代理店やカフェを見つけては飛び込み、エア・チケットの値段を尋ねた。
ベトナムはハノイが終着。
数日後にはここを離れ、バンコクに戻らなくてはならない。
来た道を辿って戻るほど酔狂でなく、酔狂に浸る時間もないので、バンコクまでのフライトを探さなくてはならないのだ。

数件尋ねて、結局、バスで世話になりつづけたシン・カフェへ。
街のど真ん中にあるホアンキエム湖の正面にあったハノイ店、
ここがもっとも安く、空き状況もすぐ知らせてくれたので、ここで買うことにした。

「さっき聞いたバンコクまでのチケット、お願いします」

「お。また来たね。ブッキングと発券、すぐにしちゃっていいかな?」

「いいですよ、お金すぐに払います」

「いいよ、発券は明日だから、そのときでいい」

「明日は来られないんだ。あさってでもいいかな?」

「こっちはかまわないよ、じゃあ、チケット、キープしておくよ」

「ありがとう、手付はいらない?」

「ダイジョウブ、ダイジョウブ、信頼するよ」

「それはメンドウじゃなくて助かるよ、ハハハ」

「こっちもそれの方がメンドウじゃないんだ。ハハハ」

端末のキーボードを叩きながら、カフェのおじさんは陽気に笑った。

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3日後のエア・アジア、$115、クレジット・カードで手数料無し。
当日のチケット発券時間が終わっていたため、明日発券という話だったが、
翌日はハロン湾へ行くため、受け取りに来られない。
それでも快く受けてくれ、要領よく裁いてくれてさいわいだ。

入国前にあらかじめ格安航空会社のチケットをネットで購入しておけば、安く済んだのかもしれないが、
この国を訪れるまではベトナムを気に入るのか、どこの街で何日間費やすのか、まったくわからない状態で旅ははじまる。
そんな状態で日程に「シバリ」をつけたくなかった。
それもこれで確定。

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満席やチケットが取れなかったら、どうするかって?
それはそのときでしょう。

それが「旅」。


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