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第十二夜 -果物- @Hue [Vietnam]

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自転車で街へ。

宿で自転車を貸し出ししていたので、早速借りて、乗り出した。
一日10,000ドン。
金額よりも行動範囲が増えるのがうれしい。

観光名所を巡る前に、河に沿って民家が建ち並ぶ普通の住宅街に入っていった。
宿で市内の地図をもらい、それを頼りに走ろうとしたが、「ない」とあっさりといわれ、お構いナシに走り出すことにした。
いけるところまで行って、飽きたら戻ってくればいいだけの話しだ。
このアタリのいい加減さも自転車の機動力ならでは。
徒歩だけの旅なら観光地+α程度しか歩けないが、自転車なら行動範囲は格段に広がる。
徒歩で迷えば疲労困憊だが、自転車ならその心配も少ない。
いっそ自転車で旅を続けたいぐらいだが、それほどの気力と体力がないことは承知している。

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走り出したもののフエの街も蒸し暑い。
自転車で心地よく風を切り・・・というのとはチョットかけ離れてます。
住宅街に珍しいものがあるはずもなく、かなりの距離を一回りした後、その間にあった普通の市場に潜りこんだ。

忙しさのピークも過ぎたのか、昼過ぎの市場は活気が昇華して、飽和状態だ。

たたまれる店、うたたね寝をする人、片付けられる野菜・・・
のんきな空気の合間に、野菜やフルーツを撮影していると、笑い声が各所から聞こえる。
しまいには指差して、アレコレ言われはじめた。
街なかの市場で一眼レフ振り回して、撮影するヤツなんかいないのだ。

「おれ?」と自分を指差すと、市場中のオバチャンがゲラゲラ笑う。
笑いのターゲットは完全に自分だった。
奇妙なカメラマン、異質な観光客、不釣合いな異国人・・・
退屈な市場の午後、「モノ笑いのタネ」である。

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写真を撮る店先ごとにアレコレ聞かれるが、ヴェトナム語がわからない。
英語で切り返しても、相手が英語がわからない。

「誰か、英語のわかる人いないの~」
大きな声で叫ぶと、また笑い声が上がった。

笑い声の中、水分補給の代わりにパイナップルを買い求める。
若い女の子とお母さんが切り盛りする店があったので、そこに歩み寄った。

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「パイナップル、1個!」

「?モッ?」

「そうそう、1個。パイナップル・モット」

「モッ?ハイ?バー?」

「1個だけ~」と指で合図する。

市場中がゲラゲラ笑う。
ベトナム語の数字はモット=1、ハイ=2、バー=3。
何個買うの?とからかわれていたのだ。

「今、食べるの!1個しか食わないよ~」

冗談も終わり、女の子がその場で新しいパイナップルを刻んでくれる。
英語を勉強しているかもしれない、と若い女の子がいる店を選んだのだが、みごとにあてはハズレた。
まったく通用しないことがわかり、日本語で押し通すことにした。

手際よく刻んでくれたパイナップルをその場で頬張ると、市場のオバハン連中はまたゲラゲラ笑っている。
ヘンなガイコクジンがパイナップルクッテイル・・・という笑い?
まあ、街から遠く外れたこんな場所には観光客はこないわな、しかも一眼レフかついで。

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パイナップルにかじりついていると、他の店のオバハンがこれも食ってみろ、と差し出す。
スターフルーツだったり、オレンジだったり、バナナだったり、まるで試食コーナー。

調子になって、唐辛子をおいしそうにかじってみた。
オバハンたちにはこれが一番ウケマシタ。

退屈な市場の午後、気付けば一時間が過ぎていた。

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quartier

自転車で旅行を続けられたらいいのにね。
この頃、車を止めて自転車にしたら全く世界が違って見えます。
最初の写真はまるでお豆腐みたいだけど。
by quartier (2008-11-14 12:26) 

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