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第十夜 -充足- @Hoi An [Vietnam]

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古い街並みが静かに佇んでいる。

保護された一定の区画にはクルマやバイクは入れず、今のヴェトナムらしさは欠片もない。
気温が上がりはじめるこの時間、通りを歩く物好きは少なく、
地元の人たちは軒先に置いたイスに腰掛けていたり、日のあたらない奥の間でくつろいでいる。
ハイシーズン・でないこともあってか、不似合いな帽子を被って精力的に動き回る観光客も少なめだ。

世界遺産に指定されているとはいえ、物静かさがチョット独特。
ホイアンの歴史地区は保護されて、時代から封じ込まれてしまったのだろう。
15分もあれば、端から端へたどり着いてしまう小さな町は「古都」という形容は大きすぎる。
「古きよき町」とでも記せばいいのだろうか。

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昼ごはんを求めて、町の東側にある市場に到着。

町の静寂とは裏腹に、市場はにぎやかで活気がある。
日々の生活を充たすエネルギーが満ちている。

入ってすぐの場所に食事場所が連なる。
「屋台」というにはあまりにもお粗末な、地面にナベやカマを並べての店開き。
日本の風呂場で使うような小さなイスが客用だ。

どこの屋台でもこの「小さなイス」があり、はじめはとまどった。
こじんまりと座り、背中をまるめて食べるスタイルが奇妙なのだ。
後々、調べてわかったことだが、ヴェトナムにはしゃがんで何かをする習慣があるらしい。
軽作業や家事、食事もしゃがんでするのがヴェトナムのスタイルなのだ。
それが変化して、外での食事は「小さなイス」が用いられるようになったらしい。
180cmのわたしにはちょっと窮屈 & 滑稽です。

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ナベやカマの中身を眺めていたら、座れ、といわれた。
その声を受けて、みなが少しづつズレ、座る場所を作ってくれる。
肩を並べて食べている人たちの間にヒザを割り入れるように座った。

素麺のような米の麺(ブン)に肉を乗せ、焼肉のタレをさらに甘くしたようなタレをかけ、出来上がり。
茹できった麺は柔らかく、野菜にからまった甘いタレが女性好みかも。
現に並んでいる客は女性ばかり、それは味のせいじゃなくて市場に買い物に来ているからかな?
余ってしまった素麺で作ってもいい出来映えになりそう、夏バテした食事にもいいかもしれない。

ブン・ティット・ヌン、10,000ドン。
おかわり! といいたいところをグッとこらえて、立ち上がった。

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繰り返し記しているが、市場はどこの国でも楽しい。
生活の勢いがあり、飾らない暮らしの力が満ちている。

米が二度採れるほど豊沃なヴェトナムは、市場も元気。
野菜は豊富で果物も多く、海辺の町なら海産物もにぎやか。

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パイナップルを上手に刻んでいる店が目に留まる。
ひとつ5,000ドン。
頼むとその場でカットしてくれる。
約¥30のデザートをゲット。

冷えてはいないが、豊潤な甘さが口の中を充たし、気持ちまで潤してくれた。



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quartier

かがんで食べる。そうなんですか、面白いですね。
どこから来たのかぜひ知りたいものです。
by quartier (2008-11-14 13:09) 

delfin

>quatierさん
古い習慣で家事や作業もしゃがんでするみたいです。
いずれにしろ風呂場のイスみたいなのを各地で目にしました。
びみょ~にちいさい・・・
by delfin (2008-11-14 19:50) 

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