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第十夜 -朝食- @Hoi An [Vietnam]

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夢うつつで停車した車内を眺めていると、乗客がまばらに降りはじめていた。

どこの町? と声もかけ損ね、運転手が掃除を始めている。
時計を見ると6:30だ。

「お前は降りないのか?」

「どこよ?? ここ??」

「ホイアンだよ、みんな降りたよ」

寝ぼけた頭で、礼をいい、荷物を持ってバスを降りた。
トランクから降ろされる荷物を待つ客に割り込み、自分の荷物を受け取る。

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朝早すぎるせいか、カフェの前に止まったバスの回りに客引きはおらず、
カフェの並びのホテルだけが、バスから散らばった客に声をかけていた。
値段を尋ねると、けっこういいお値段。
やはりバス・ストップの目の前の利便性が値を上げている様子。

安宿は宿泊客が去って、次の客が部屋を確保することができる。
朝飯前のこの時間じゃあ、ほとんどの客は眠りの中だ。
宿の情報も持っていなかったので、しらみつぶしに訪ね歩き、相場をつかみ、
朝食を食べて、チェックアウトを待つとするか。

値段を尋ねては隣の宿、尋ねては隣の宿と、歩き回った。

西の外れ、少し離れたところのホテルにたどり着く。
これまでいい宿がなかったので、ここでだめなら町の反対側だ。

「シングルの部屋いくらかな?」

「ノーエアコンなら$7、これがミニマム」
バックパッカー相場のシングル$5からすると高めだが、ホテルの外観は大きく、体裁からすると妥当か。

「その部屋、見せてもらえる?」

「早朝のバスで発った部屋が空いているから、ダイジョウブだよ」

フロントマンのあとに従い、期待しないで覗いた部屋は中級のシティホテル並みのサイズ。
古いながらもダブルサイズのベッド、TV、冷蔵庫、なんとバスタブまで備わっている。
寝るだけのバックパッカー宿とはちょっと違うようだが、かなり驚き値段。

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「エアコン付きの部屋はないの?」

「+$5で同じサイズの部屋があるよ。ただしまだ寝ている客がいるから、彼らが出た後の昼には入れるかな」

部屋のサイズと冷蔵庫が気に入り、エアコンなしのこの部屋に決めた。
掃除も行き届いていたが、ベッドメイクがまだらしい。
出かけている間にすぐにキレイにする、と言ってくれた。

部屋に荷物を残し、朝食を食べに出かけることにした。

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宿を探しながら、途中でうまそうなフォーの店に目をつけていた。
若いお父さんと息子で切り盛りする店。
バイクで乗りつけ、フォーをかきこみ出かけていく人、制服のままフォーを食べている人、地元の人たちが出たり入ったり・・・
みなさん、平日の朝食も外食なのですね。

席に着き、「フォー・ボー・チン」と一声!
店先の調理台で、お父さんが手際よく生の牛肉を刻み、麺の入ったどんぶりに乗せる。
受け取った高校生ぐらいの長男が即座に熱いスープをかける。
中学生ぐらいの次男がトレイに載せて運んでくれた。
この家族像は勝手に描いたものなので、ただの従業員かもしれませぬが。

フォー=米の麺、ボー=牛肉、チン=生 という解釈でいいのかな?
熱いスープで牛肉に火が通り、半生状態で香りがいい。
麺をすすりながら眺めていると「フォー・ボー・タイ」というオーダー、
「タイ」になると、麺を茹でるナベで牛肉を茹でて、乗せてくれる。

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スープがおいしく、麺もしゃきっとしていて、アタリのお店!
これなら毎日通うかな。
寝不足の夜行バスで疲れていたが、ホテルも朝食もアタリを引いて、エネルギーが戻ってきた気がする。

といっても、満腹になって、寝る気満々で意味がないのだが。



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