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第二夜 -国境- @Aranyaprathet [Thailand (Bangkok)]

IMG_4540.jpg

早朝、空港からタクシーを拾い、高速を飛ばす。

ダウンタウンの北にある長距離バス・ターミナルまで330B(1B≒¥4弱)。
通常、空港からのタクシーは固定料金で高くつくのだが、
(ボッタクリを防ぐため、カウンターがエリアにより、固定料金を定めている)
メーターで走ってくれたせいか、思ったより、安く上がる。

あれ? 深夜割増は? (6時までは深夜割増)
あれ? 高速料金は? (高速料金は通常別払い)
運転手さん? 忘れた?

アランヤプラテートへのバスのチケットを買うと(227B≒¥800)、
朝一番のバスの出発時間に間に合った。
カンボジアとの国境の町・アランヤプラテートへは約4時間。

ちなみにアランヤプラテートとは「僻地」という意味、すごい地名だ。

車内はガラガラで、エアコンが割増状態でよく効いている。
指定席だったが、それを無視して、最後部の席を確保。
横になって眠った。

バス・ドライバーに起こされる。
肩を叩かれ、ようやく目を覚ましたのだ。
「トイレ・ストップ?」と思ったら、目的地に到着していた。
熟睡していたのだ。

バス停の目の前にあったコンビニで飲み物を買い、寝ぼけた頭を覚ます。

国境ゲートまではバイク・タクシー(といっても後ろに乗るだけ)。
値段交渉をして、荷物を背負い、後ろのシートにしがみつく。
10分ほどで国境だが、灼熱の元、歩くにはシンドイ距離だ。

午前中なので、国境へ向かう人も少ない。
知らない土地や場所では、人の流れを当てにするのだが、
この時間帯では、その人の流れもない。

国境の係員に行き先を尋ねる。
「あっち」
と指差された報告を目指して、歩みを進めた。

カバンを背負い、歩くと、
日傘(とっても雨傘)やミネラルウォーターを売る子供たちがまとわりついてくる。
どうみてもカンボジアの子供たち。
まだタイ国内にいたはずだが、きっと彼らには国境の制限もたいして関係ないのだろう。

ゲートで、タイ出国の手続き完了。

NEC_0012.JPG


次はカンボジア入国へ。

物乞いの子供たちや行商のリアカーを引くおばさんが増える。
明らかに人の景色が変わってきた。
久々のボーダーにちょっと緊張。

ところがカンボジア側は行く手を遮る入国ゲートもなにもない!

パスポートはドコに見せるんだ?

あれえ~? と思っていると、右手前方にVISAの申請窓口。
辺りでうろつくタクシーの客引きがうるさい。


窓口でVISA申請すると、
「1000B」(¥4000弱)とそっけない対応。

おい!

目の前のガラスに、
US$20(約¥2400)って紙が思いっきり貼ってあるじゃないか。

US紙幣で$20を差し出しても、ガラスの向こうの係員は取り合わない。
タクシーとバス代程度しか両替していないタイ・バーツはもう持ってないぞ。

確信犯的な不正行為に声を荒げて掛け合っても、係員は聞こえないフリ。

「上司出せよぉ!」といっても、目線を合わせてこない。

しまいには相手にされなくなった。
「うるさい観光客だ」程度の扱い。

かなり頭にきていたが、こいつはラチがあかない、と思い、
「バーツなんか持ってない。日本円で払う!」と冷静にキレている状態を演じてみたら、
「隣で両替しろ」という。

窓口の隣の棟には小さい両替屋。

「グルなのか?」と思いながら、
両替屋の小さな窓口に日本円を差し出すと、
「日本円は両替できない」とすげない返事。

「日本円使えないじゃないか!」

窓口に戻り、日本円を突きつけ、怒った素振りを見せてみた。
しかしこういうときはあくまで冷静さが必要。
熱くなると、お金どころでなく、大事なVISAが発給されなくなり、Uターンとなりかねない。

「US$なら$20+200Bでいい」
譲歩の言葉が帰ってきた。

対応する係員の素振りと、
窓口の向こうにいて知らぬ表情を決め込む係員どもの様子を見ると、
US$20で粘り続けても、VISAは発行されなそうだ。

他の国の旅行者やガイドたちも同じ金額を払っているので、
これ以上引き下がっても無駄に思えた。
どうやらポイペトのVISA発給事務所がこぞって、小銭をくすねているようだ。

やむなく$20に200B(¥800弱)を重ね、窓口に出す。

IMG_4539.jpg

「領収書、レシートをください」
お金を出しながらも、さらに冷静になって言葉を返す。

「ない」

「ないってなんだ、金を受け取っていて、レシートがないわけないだろう」
係員は聞こえない素振り、あきらかにしらじらしい表情で窓口から遠ざかる。


『こいつだけじゃなく、上司どころかポイペトの事務所まるごと確信犯だな』
解決策のない言い合いは続けていても時間の損失だ。


5分後、あっけなく、VISAが発給された。



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コメント 2

quartier

キャー、そんなに大変なんですか。
換算がピンとこない私なんかどうなることか。
by quartier (2008-09-23 18:09) 

delfin

あきらめなければ、なんとかなるものですよ~~
by delfin (2008-09-27 00:15) 

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