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旅と本 [Singapore]

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例によって旅先、特に一人の旅先では、読書が進む。

機内、バス、列車のシート沈み込んで、
退屈な移動時間を、本の上に視線を落とすことで紛らす。
車窓からの風景は文字に疲れた目を憩わせてくれる。

一番集中して読めるのは、機内。
お気に入りのチャンネルを探して、ヘッドフォンのヴォリュームをあげれば、
エンジン・ノイズも気にならない。

それに機内ならボタンひとつで、コーヒーも運ばれる。
読書をするのに、こんな好ましい空間はない。

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乗り物で文庫本を読んでいると、声をかけられることがある。
フシギな文字に目を落としている異国人が珍しいのだろう。

「どっちから読むの?」と聞かれたり、
「それが【漢字キャラクター】なのか?」といわれる。
(英語では『漢字』のことをこう呼ぶ)

欧米は左から横に読み進む文体。
右から縦に読み進むのは、かなり奇異に写るのだろう。

近年の「漢字ブーム」の前から、「漢字」に興味を示す欧米人は多かった。
彼らにとっては、日本も中国も、区別がつかない。

日本には3つの文字体があるんだ、と説明しても、なかなかわかってもらえない。

そんな説明はどうでもいいことで、たいてい、
「ぼくの名前を漢字で書いてくれないか?」なんていわれる。
ラ行の当て字に苦心するが、
名前を書いて、漢字の意味を説明すると、すごく喜ばれたりする。

最近はアヤシイ漢字が入ったシャツやタトゥも人気。
「一番」なんてカワイイもので、
「台所」と二の腕に刺青してた人を見たときはさすがに二度見した。
日本人の女の子が「FuXX ME」なんてTシャツ着ちゃうのと、レベルは一緒だ。

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宿に帰ると、一人旅の身はかなり退屈。
ロビーやリビングがあるようなクダけた宿なら、
宿泊者同士、飲みながら語らえば、時間がつぶれるのも早い。
しかし個別に隔たれたホテルとなると、話は別だ。
ベッドに埋まり、本を読むぐらいしかすることがない。

ジムがついているような高級ホテルに泊まれば、そこで暇つぶしができるが、
それでも結局、寝る前に読書読書。

ということで、旅先では、読書量がすごいことになる。
文庫本を一日あたり一冊、持っていきたいところだが、それでは荷物がえらいことになる。

添乗員時代、10日ほどのトルコ・ツアーのときに
椎名誠だけを5冊ぐらい持参して、死にそうになったことがある。
3日目ぐらいで全部読み終わってしまったのだ。
軽めの文体が仇。

考え抜いたあげく、バスの中で、ツアーのお客さんに泣きついて
読み終わった本を借りた…

その後はなるべく長編を持参し、文字の詰まったところでカバーし、冊数を減らすようにした。
数あればいい、ってモノじゃないのですね。
読書の相手は。

困ったことに最近の文庫本は、文字体が大きくなり、ページ数が増えている。
あるいは薄い内容を補うため、ページ数を増やしている本もある。。。
これが重さを増す…

今回のメインは宮城谷昌光「香乱記」全4巻。
それにほかの作家のエッセイ数冊・・・。


旅のために本を読んでいるのか、
本のために旅をしているのか…
そんな旅先。

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