SSブログ

Tripa @Porto -Day16- [Portugal]

IMG_6178.jpg

いい天気だが、朝の空気が冷たい。

晩夏のリスボンから初秋のポルト、という感じで、
しかもポルトの街ではクリスマス・セールがはじまっていた。
市庁舎前の広場にもツリーを設営中。
巨大な樅ノ木が飾り付けを待って、裸のまま、立ち尽くしていた。

雲がかかったのは昨日だけだったようで、
快晴の空は昼間になると上着がいらない程の気温に上がっていった。
宿で言った戯言が本当になったようだ。

明日の夜便でロンドンへ戻るため、ポルトガル滞在はあと2日。
今日はポルトをしらみつぶしに巡るつもり。
ランチにはホテルのオヤジに聞いた地元の食事が味わえる店を訪れた。

裏町の食堂、というその店はお世辞にもキレイとはいえず、
風格がある、という雰囲気よりは古くて汚い、だけだった。
普通の日本人なら抵抗がありそうなヤバイ雰囲気。
暗くて、薄汚れていて、古臭い食堂だ。

汚いところには慣れていたし、地元の人と肩を並べて食べるのは悪くないと思っていたので、
店の雰囲気は気にならなかった。
それに自分の嗅覚が「ハズレ」を伝えてきてなかった。

「トリッパを」
カウンターに腰掛けながら、その中を忙しく行き来するウェイターに声をかける。
狭いカウンターにいる4名のウェイターはオジサン、というには年をとりすぎた感じの男たち。
白い前掛けが際立つジイサン・ウェイターは忙しそうで、
こちらの声が聞こえているのか、いないのか、返事も返ってこない。

もう一度、声をかけようか、と思った瞬間に
テーブルクロス代わりの白い紙とトレイに乗ったパンが目の前に置かれた。

しばらくすると注文したトリッパが目の前に置かれる。
『Tripa』は腸の煮込み料理。
日本でいえば、モツ煮込みか、はたまたホルモン煮か。
クセのある腸をハーブで押さえ込んだ地元料理だ。

気づくと店内はテーブルだけでなくカウンターも埋まり、満席。
時計は12:30を回っていた。
ポルトに伝わる味を噛み締め、完食。
名物になる上品な料理ではないが、古くからある味がカラダに染み込んだ。

「終わりか?」

「ええ」
食べ終わった皿を下げながら、ジイサン・ウェイターが目配せする。

(カフェを)

(わかった)
暗黙で食後の注文、チョッピリ地元民になった気分。

カフェで油を流し込みながら、カウンターで清算。
トリッパ+パン 2.3ユーロ
カフェ       0.7ユーロ。
地元の人が押し寄せる味と値段の店なのだ。

IMG_6177.jpg
ミネラルウォーターはココが安い!送料無料!

満腹の腹を抱えながら、帰るまでにこの冬に着るコートを探そう、と企んでいたことを思い出す。
旅の終わりのポルトなら荷物にならない、と企んでいたのだ。

ふと入った店でサイズも予算もあう、いいやつを見つけた。
試着してみたが、小さな店内は来店してからずっと薄暗い。

「電気、暗いね?」
時折、客が来るまで消灯している店があるので、それか?とおもっていたが、
試着を終えても電気が点かない。

「停電なのよ、さっきからダウンして回復しないの」

「そう」

「きになる?」

「ダイジョウブ。コートの色はわかるから」

「なら、よかったわ、悪いわね」
カワイイ女性店員が気まずい表情。

「これ、もらえるかな?」

「OK」

「あ、スグ着るから、包まなくていいよ」

「助かるわ」

「カード使える?」

「カードOKよ。あ、ダメよ、停電でダウンしてるもの!」

「え?」

「キャッシュでいい?カードはマシンが使えないわ」

「キャッシュ持ってないんだよ」

「困ったわ」

「あとでくれば停電は回復しているかな?」

「だと思うけど。6時には閉店するわ」

「ソレまでにはなおるでしょ?」

「と、思うわ」

「じゃあ、あとで出直すよ」

「悪いわね」

「いや、ホテルも近いから気にならないよ」
今年の冬のコートは一時お預け。

写真を撮り歩きながら、他の店も除いてみたが、
どうもさっきのヤツを上回るお気に入りコートは見つからない。

閉店前に駆け込めば問題ないだろう、そう思いながら街歩きを続けた。


写真1;ポルト名物・トリッパ。写真だとグロすぎる。
写真2;下町の名店なのだろうか。古いが地元の人に愛されている感じだった。


人気ブログランキングへ


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0