Sunset @Risboa -Day14- [Portugal]
町へ戻ろうと、ベレンの駅へ。
人のまばらなホームで一人の男性に話し掛けられた。
「英語できますか?」
「ダイジョウブですけど?」
「町へ戻るのはこの電車でいいのかな?」
「そうですよ」
「ありがとう、よかった、英語が通じなくて苦心していたんだ」
「来るときはどうしたんです?」
「地元の友だちと路面電車で来たんですよ、そいつは先に帰ったので」
「なるほど。どこからですか?」
「アメリカ。マサチューセッツです、わかりますか?」
「ボストン?わたしはソックスの大ファンです」
「あはは、こんなところでソックス・ファンに会うとは思わなかった」
電車を待つ間の世間話に花が咲く。
「ポルトガルを旅行していて、なにかトラブルにあいましたか?」
「いやあ、トラブルはないですが、なにしろ英語が通じなくて困りますね。
予想以上に困ってますよ」
「アメリカの人も言葉で困ることがあるんですね」
「アメリカ人は英語しかできないからね」
「日本人は英語もニガテですよ」
「そうかもしれないですね。でもあなたはしゃべってる。でも日本人の英語じゃないですね」
「あはは、よく言われます、シンガポール訛りなんですよ、わたし」
「確かにアジアっぽい英語だ、日本人じゃないみたい」
「日本人ですよ、パスポート見せましょうか?」
たわいない話をしている間に列車がホームに滑り込んできた。
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坂の街・リスボン。
街で一番大きな教会=Se(カテドラル)も坂の中腹にあった。
装飾は少なく、古びた教会だがステンドグラスが美しい。
それぞれの町で教会を見てきて、かなり食傷気味ではあるが、
ステンドグラスは見飽きない。
暖かい昼間の陽光に輝くグラスも美しく、
夕暮れの弱い光にきらめくグラスも美しい。
ついつい馬鹿みたいにシャッターを切ってしまう。
路面電車で丘を上がる。
リスボンの一番高い丘は城壁が陣取っている。
サン・ジョルジェ城、ローマ時代の要塞だ。
日没を待ち、夕陽を眺めるか、と思ったが、
西の空には薄雲がかかり、冴えない表情。
長居しても希望の陽射しは射しそうにもない。
中庭で演奏していたファドのギターが切ない。
リスボンは見尽くしてしまった。
郊外の町も巡ったし、西に向かってスペインへ越境する気はなくなった。
明日はポルトへ戻るか。
そう考えていた心根が切ないのか、
はたまた夕暮れ時が切ないのか、
ただ単にギターの音色が切なかっただけかもしれない。
日が落ちたあと、観光案内所で教えてもらったショッピング・モールを目指した。
街の北にあるコロンボ・ショッピングセンター。
入ってみると、これがデカイ。
アメリカスタイルのショッピングモールで、
円形の売り場は店舗が軒を連ね、フロアを埋め尽くしている。
上にフロアにはファスト・フードからステーキ・レストラン、
ポルトガルの人たちの食欲を満たすエリア。
その反対側には映画館があり、下のフロアには巨大スーパー・マーケットが陣取っている。
ポルトガルの人たちの日常生活がこんなところに隠れていた。
街を歩くだけじゃわからないことがたくさんある。
写真1;カテドラルの正面を走る路面電車。対向車とすれ違いが必要な道路幅。
写真2;ポルトガルの教会では必ず美しいステンドグラスに出会える。
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