Pastel de Nata @Risboa -Day14- [Portugal]
ヴァスコ・ダ・ガマに別れを告げ、修道院を後にする。
子供たちが去った公園ではオジサンが枯葉を掃除している。
「Onde Banho?」(オンデ・バーニョ?)
とカタコトのポルトガル語で尋ねると、動かしていたほうきを止めて、答えてくれた。
「公園内にはないね。ジェロニモスの中か、カフェで借りるんだね。
あ、カフェの手前の民家を入ったところに公衆トイレがあるよ」
見ず知らずの外国人にもていねいに説明してくれる。
でも全部ポルトガル語だから、単語を拾って補ってます。
海外旅行の落とし穴に「会話」がある。
ツアーのお客さんたちは、ガイドブックと一緒に「旅の会話本」ていうヤツを用意してくる。
ホテルで、売店で、カフェで、乗物で、
本に書かれた言葉で尋ねて、みごとに「落とし穴」に落ちる。
「外国語」を使ってみたい気持ちはわかるが、
地元の言葉で尋ねれば、地元の言葉で帰ってくる、これが会話の常だ。
で、結局、英語で尋ね直してる・・・ なんて姿をよく眼にした。
「会話本」にはそんなことまでは書いてない。
フランス語でバスの乗り方の尋ね方が書いてあるだけだし、
ドイツ語で服のサイズの聞き方が書いてあるのだけだ。
ヒアリングができなければ、会話本も意味ナシ。
これが「落とし穴」。
自分が受け持ったツアーの人たちには「会話本は捨てましょう!」なんて案内してたっけ。
そのかわり、一日の始まりに地元の言葉を「ワン・ワード覚えましょう!」と。
せっかく異国を歩いているのに、日本語100%じゃつまらない。
気恥ずかしさもあるけれど、地元の言葉も使ってみましょう、という提案。
旅の潤滑油になるアイサツやお礼、食事のたびに頼む飲み物を一日、一個。
これが意外と好評で、地元の人に通じると満面の笑顔で報告してくる人がいたりしてた。
プロバンスで「ワン・レッド・ワイン・プリーズ」と言うよりも、
「アン・バン・ルージュ・シルブプレ」の方がお客さんには楽しいらしい。
「外国語がニガテな日本人が地元の言葉を使った」というだけで地元の人も笑顔になる。
その公式が当てはまったのかわからないが、
「トイレ、ドコ?」レベルのカタコトな質問でもポルトガルの人は親切。
世話焼きなのかな?
ドコの街でもみな優しくアレコレ教えてくれる。
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修道院前の通りに並ぶカフェへ。
入口が観光客で溢れている。
人ごみをかき分け、奥に入ると、奥、さらに奥とカフェはズブズブと広がりを見せていた。
「ヨーロッパにはコンビニがなくて不便」という人がいたが、カフェがその役割を果たす。
スナックからタバコ、チケットやカード類まで売っているし、モチロントイレも貸してくれる。
トイレついでにコーヒー、コーヒーついでにトイレかわからなくなったが、席についた。
「注文は?」
「ウン・カフェ」
「『パステル・デ・ナタ』はいらないの?」
「え?」
「うちにはみんなソレ目当てで来るのよ」
さっきの人ごみは「パステル・デ・ナタ」(エッグタルト)を買い求めていたのか。
ポルトガルの伝統菓子を土産にするのか、自分で食べるのかわからないが、
それが目的の混雑か。
「うーん、じゃあ、食べてみるよ」
「OK」
店の奥、ガラスの向こうではせっせとエッグタルトが作られている。
後で調べてわかったのだが、このカフェは『パステイス・デ・ベレン』。
ジェロニモス修道院から伝えられたレシピで作り続けている老舗中の老舗、名店中の名店。
エッグタルト発祥の店でもある。
トイレが目的の客はおれだけだな、きっと。
写真1;パステル・デ・ナタ。カリカリのパイ生地の中にシットリ玉子のクリーム。
写真2;カフェの奥の厨房。工場状態でエッグタルトを作りまくり。
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