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West End @Roca -Day12- [Portugal]

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カフェの外に繰り返し観光バスが到着する。

グループはバスから吐き出されたかと思うと、
同じ場所で同じようにポーズを取る撮影集団に変身し、
それに飽きると躾られたかのようにバスに乗り込み、帰っていく。

その繰り返しは判で押したように同じで、見ていておもしろかった。
集団はアメリカ人だろうが、韓国人だろうが、日本人だろうが、
まるでルールがあるかのようにみな同じ行動を繰り返していた。

時折、自由時間を持て余したグループがカフェになだれ込んでくる。
久しぶりで聞く日本語。
そういえばポルトガルでは日本人はモチロン、団体客にも遭遇していない。

トイレに立つと年配の男性とすれ違った。

「カギが壊れているみたいですよ、気をつけてください」
そういい伝えると、
「あ、ありがとう。日本の人でしたか」
どうみても、わたしの風貌は日本人なのだが・・・

団体客は一人旅の日本人を奇異な目で見る傾向がある。
反対に一人旅の日本人は団体客がキライだ。
だから旅先で出会っても、お互いアイサツもしないし、言葉も交わさない。

これが添乗員時代から不思議でならなかった。

ツアコンとして働いているとき、
観光中、すれ違う日本人にはアイサツを交わしたし、
地図を広げている人には声をかけたりもした。

キワメテ普通に声をかけても、大概、驚かれる。
なぜなら、海外滞在中の日本人は日本がキライなのだ。
日本人は「日本」は好きだけど「日本人」はキライなのだ。

アイサツぐらいすればいいのに。
「日本語」という固有で特殊で素敵な言語を話せる国民同士なのに。

「リスボンで日本語の本が買えるところはないですか?」
カフェで一息入れていた日本人ガイドに話し掛けてみる。

「う~ん、日本の本ですか。私達も手に入れるのに苦労しているんですよ。
この国はあまり外国の企業が進出してないんですね」

「となると日本の企業もきてない?」

「そうなんですよ。だから日本の本はモチロン、日本の食材とかも入手するのが難しいんです」

「本どころの話じゃないんですね」

「そうですね、高いけどネットで買うのがやっとですね」

「そうですか」

ガイドブックには載らない貴重な現地情報だ。
残念ながら我が軍の兵糧不足は解消せず。

「話は飛びますが、リスボンのグルメ情報を教えていただけますか」

「これもですね、企業が接待とかで使わないので、イケてるレストランが少ないのが実情ですね。
 コテコテローカルの料理ならあるんですけどね」

「オシャレなところより、そっちのほうがウレシイですよ」

地図に印をつけてもらい、ローカルグルメ情報ゲット。
普通ならドミトリーや安宿で旅行者同士情報交換、となるのだが、ポルトガルはそのチャンスも少ない。

西の果てに日が傾き始めた。

集合時間に追われるガイドさんに礼を告げると、いつのまにかツアー・グループは姿を消していた。
日没まで待っていたら、リスボンでのディナーに間に合わないもんね。

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Onde a terra acaba e o mar comeca.
「ここに地終わり、海始まる」
ポルトガルの有名な詩人ルイス・デ・カモンイスの詩、「ウズ・ルジアダス」の一節が石碑に刻まれている。

太平洋と異なり、島影が見えないこの海はまさに「地の果て」。

その果てに日が沈む。


写真1;ロカのシンボル。詩が刻まれた石碑は別のもの。
写真2;最果てに沈む夕陽。岬は高台になっていたので、寒かった。



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