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Castle @Obidos -Day10- [Portugal]

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夕方の観光案内所に駆け込み、 安宿の情報を尋ねた。

「やっぱり安いのはユースかな?」

「ユースはあるけど、町外れよ」

「歩いていける?」

「バスで行ったほうがいいわね」

どうもポルトガルに関しては、ユースホステルの使い勝手が悪い。
大概は町外れにあり、30分以上歩くことになり、どこでもバスで行くことを勧められる。

ポルトガルではドミトリー形式の安宿はポピュラーではなく、
格安の宿も相場レベル、といった感が強い。
観光名所や旧跡の少ないこの国は、隣国やヨーロッパからの旅行者も少なく、
スペインのように破格の「安宿」などが少ないのだ。

シングルで共同シャワー、共同トイレ、というのが安宿のスタイルで、
キッチン付のドミトリーは数が少ない。
町を渡り歩いてきて、安さを追い求めても仕方がない現状が見えてきた。

町からまたバスに乗らなければならない場所にあるユースをあきらめ、
城内の宿に泊まってみるか、と無謀なことを思ってみた。
観光名所、それも世界遺産の中心地に泊まるなんて、かなり「非経済的」だ。

ツーリスト・インフォでもらった宿が記された地図でも、城内の宿は40ユーロが最安値。
こちらの予算の倍の額だった。

いい宿がなければユースだな、と思いつつ、城内に足を向けた。
重い荷物とともに広場を横切る。
日曜の広場は出店が並び、日帰りの観光客でにぎわっていた。

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ホテル相場はココでチェック

土産物屋の軒先、「空室あります」の看板が目にとまる。
ドイツ語、フランス語、スペイン語やイタリア語で書き綴られた看板は、
ナザレでも目にしていたヤツと同じだ。

「部屋ありますか?」

「あるわよ?見ていく?」

「予算に合うかな?安いほうがいいんだけど」

「まあ、今開けるから部屋を見てみなさいよ」

そういうと土産屋のオバチャンは店の奥からカギを持ち出し、店の裏手にいざなった。

「ここよ、左はツイン、右はシングル」

「別の客もいる?シャワーは熱いのが出る?」

「いないわ、貸切ね。シングルなら35ユーロよ」

「30にならない?30なら決めるよ」

「いいわよ、オフシーズンだし。あなたの貸切だから自由に使って」

キッチンとだだっ広いバスルームに惹かれ、決めた。

「カギはコレね。キッチンでコーヒーぐらいは沸かせるわよ」
実はそれが一番ウレシイ。

クラシカルな重いカギを受け取ると、
城内を歩くために荷物を放り込み、慌てて部屋を出た。

日が沈みかけた城内は日帰りの観光客も去り、
静けさと寂しさが重なりはじめている。

この時、夕景の写真を撮ることに夢中で、
部屋で待っている小さなトラブルにはまだ気が付かないでいた。


写真1;新手の客引き。商売っ気はあまりない。
写真2;オビドス城壁から。




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