Bus @Nazare -Day10- [Portugal]
「2~3日じゃなくってさ、何日いてもいいんだよ」
宿のオバチャンが顔を合わせるたびに言う。
社交辞令でもうれしかった。
とはいえ、泊まった分だけ宿代はかかっちゃうんだろけど(笑
柔らかい陽射しの差すビーチで本を読んだり、カフェのテラスで過ごしたり、
ナザレでは連日、なにもしていなかった。
読書量が増えるばかり。
これが後のトラブルの第一歩とは知らず、大西洋を眺めて、心地いい時間を感じていた。
それでも離れ難かったナザレを出発することに決め、翌日のバスの時間を調べる。
次の目的地であるオビドスへのバスは、日曜日のため、朝一番と午後の便しかなかった。
もう少しビーチで風に吹かれていたいと思い、午後のチケットを買うことにした。
バスは40分ほどでカルダス・ダ・ライーニャに到着した。
10分ほどで乗り換えのバスがやってくる。
オビドスまでは直行の長距離バスがなく、市バスを乗り継ぐ旅なのだ。
誰かがブザーを押せば止まるし、停留所に人がいれば止まる。
買い物カゴを下げたオバチャンが乗り込んできたり、
ヘッドフォンをシャカシャカ鳴らした若者が降りていったり、
学校帰りの小学生がワラワラと乗ってきたり・・・
町なかを行く市バスの旅を楽しみながらも、
遅々として進まない午後の便を選んだことをちょっとだけ後悔していた。
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16時頃、バスは城壁を抱く丘を駆け上がりはじめた。
「ここはオビドス?町の広場で降りたいんだけど?」
運転手にそう告げると、彼よりも早く、そばにいた年寄り連中が声をあげた。
「ここだよ、ここ!」
「広場に行きたいならここだよ」
「ココ?」
「ここが広場だよ」
みなが指差す先には城壁しか見えない。
「ココ?広場なの?」
繰り返し尋ねるとみなが頷く。
間違えていたなら歩けばいいや、と荷物を抱きかかえ、バスから慌てて飛び降りた。
「ありがとう!」
広場がどこかわからなかったが、開け放たれたドア越しに礼を言う。
「アンタの後ろの階段を上がると広場だよ」
ドライバーが教えてくれた。
階段を上がるとそこには小さな広場が開けていた。
写真1;ナザレの海岸。
写真2;大西洋に沈む夕陽・連日雲のない快晴が続く。
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