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Dinner @Nazare -Day8- [Portugal]

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一人旅で一番困ることが「食事」だ。

食べることや値段に困るわけではない。
スキキライがまったくないので「食」に困ることはない。
それどころか、まだ出会っていない味覚、見知らぬ味を食べたくて、旅しているフシすらある。
困るのは「ディナー」時のレストランなのだ。

夕食時間のレストランは家族やカップル、あるいは友達同士でにぎわっている。
一人旅の「アヤシイオトコ」なのでディナー入店を断られる、という可能性があるかもしれないが、
それよりもそんな空間で、一人で席についていると「間」が持たないのだ。

手持ち無沙汰なウェイターと話したりもするが、
一人のディナーってやつがなんとも性に合わず、腰が据わらない。
昼間はさほど気にならないので、
レストランやちゃんとした店での食事は、ランチ・タイムなら問題なしだ。

その点、昼も夜も関係なく、食堂や屋台に紛れてしまいやすいアジアの旅は気楽だ。
先進国になればなるほど行き場がなくなる、というのが旅先の大きな悩みでもある。

課題の夕食はどうするかというと、
キッチン付の安宿なら自炊、 なければカフェで手軽なものを摂ったり、
持ち帰りのデリを宿のロビーやリビングで食べたりと、 なんともまあワビシイ。


オバチャンに売り込まれたこの部屋は、
幸いキッチン周りのものが細かいものまですべて揃っていたので、
パスタを茹でることを思い立ち、 閉まりかけた午後の市場に足を向けた。

ナザレの独特の民族衣装をまとって立ち話するババサマたちの合間を縫って歩く。
閉店間際の八百屋のオバチャンに尋ねる。

「刻み野菜、小さい袋はないの?」

「これでも小さいじゃない」

「いや、一人で食べるんだ、これの半分でいいんだ」

「じゃあ、袋を破って、半分に分けちまえばいいわさ」

店の片づけをしていたオバチャンは、
「本日の在庫処分」状態の刻み野菜が入ったビニール袋を手際よく開けると、2つに分けてくれた。

スーパーでパスタを買おうと市場を出ると垂涎の香りと芳しい煙が漂ってくる。

もうもうと煙を立て、肉を焼いている。
煙の向こうの大きな網の上には開き状態にされたトリの丸焼きが強い炭火に脂を落とし、
香ばしい匂いを放っていた。
その横では地元の主婦が3~4人並んで、焼き上がりを待っている。

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根が食いしん坊なので、こういう時は敏感に鼻が効く。
食べ物に対する勘がいいのだ。

旅先でよく「マズくて食えなかった」とか「ヒドイ店だった」という話を聞くが、 それに当たったことがない。
食べ物で「ババ」を引いたことがないのだ。
まあ、スキキライがないので、 なんでも食べてしまうただの「意地汚いヤツ」であるだけかもしれないが。

当たり前のように、主婦の人たちの後ろに並ぶ。


一瞬で今夜のメニューは変更になった。


写真1;年配の女性だけ着ている民族衣装。全身が黒いものは未亡人が身につける。
写真2;チキン丸焼き。一羽6ユーロ。塩と軽くハーブがふってあるだけだが、焼きたては絶品。
      トリ好きとしては結局、3日間、食べまくった。

旅先の写真をUPしてます↓
http://pixta.jp/@delfin



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